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ボランティアの力で幸福度の高い社会を
「花のまちづくり」と「善循環の輪」セミナーが大阪・枚方市で開催



比嘉教授が花づくりにも応用できる「らくらく農法」を紹介
8月22日、「花のまちづくりセミナーinひらかた」(主催:NPO法人全国花のまちづくりネットワーク)と「善循環の輪大阪inひらかた」(主催:NPO法人地球環境共生ネットワーク)が、枚方市のラポールひらかたで行われ、両セミナーあわせて約500人が参加した。

枚方市は大阪市と京都市のほぼ中間に位置し、淀川の支流である天の川、穂谷川などが流れる人口40万人の中核都市。今回は、セミナースタイルでの開催だったが、予想よりも多くの申し込みがあり、会場に入れない人たちは別室のモニターでの参加となった。

午前に行われた「花のまちづくりセミナー」では、NPO法人全国花のまちづくりネットワーク会長の比嘉照夫名桜大学教授が、「環境にやさしい花のまちづくりの進め方」について講演。その後、循環型の花づくりで数々の賞に輝く阪南市の高橋妙子さんと、ボロ(馬糞)を堆肥にして花を飾るホース・フレンズ事務局の理事長の芦内裕実さんと、穂谷自然園の上武治己さんが事例発表を行った。

午後から行われた「善循環の輪大阪inひらかた」では、地元のボランティア3団体や大阪湾再生に取り組んだ大阪漁協、EMの情報発信地として活躍する企業が活動発表をした。いずれも、地味な活動ながら市民の底力と層の厚さを感じさせた。

講話要旨
「花のまちづくりinひらかた」での比嘉教授講話


高橋妙子さんのお花畑のような春花壇
花は子孫を残すために最高の美を備え、「解脱」の姿を私たちに見せてくれる。こうした本物の美を通して人間の感性が育まれる。花を介してのコミュニケーション、また花があることでいい意味での相互監視体制が生まれ、ポイ捨てや犯罪などを減らすこともできる。人類共通の社会資産である花をさらに生かすには自家採取、苗づくり、生ごみ肥料化など、循環型の花づくりを行うことが実現できる。クリエイティブな花づくりをボランティアで行い、精神性豊かな社会を実現させていきたい。

事例発表要旨
「小さなスペースをおしゃれに飾る花づくり」 高橋妙子(阪南市)


四季折々の花の様子をパワーポイントで紹介した高橋さん
移動が可能なコンテナ栽培の長所を活かし、四季折々の花壇を狭い空間に再現した。EM生ごみ発酵肥料と米のとぎ汁EM発酵液を使うと病害虫を寄せ付けない健康な草花が育つ。挿し芽や切り戻しテクニックを磨けば、安い予算で長い期間楽しめる花壇ができる。また、花の性質をよく知り、調和のとれる色調を選ぶことがポイント。まず、1つの苗からでも自分で花を育て体験してほしい。
関連記事 「妙子さんの花づくり365日

 

「馬を介した花のある地域社会の明るい未来づくり」
ホース・フレンズ理事長 芦内裕実・穂谷自然園 上武治己(枚方市)




花をあしらった都会の中のセラピー牧場
セラピー専用牧場は枚方市駅から5分。繁華街の中にある。NPO法人ホース・フレンズが運営し、不登校、ひきこもり、ニートなど子どもから大人までストレス社会に生きる人々の癒しとコミュニティの場としてたくさんの人が訪れている。
2年前から、この牧場から出る馬糞を穂谷自然農園が落ち葉や企業から出る乾燥生ごみなどと混ぜて堆肥化している。NPOひらかた環境ネットワークのメンバーに牧場内に置くプランターでの花づくりを行ってもらい、牧場に彩りが加わった。
今年の夏には、ひまわり、百日草、朝顔などが見事に咲いて、牧場を訪れる人たちや地域の人たちの目を楽しませた。これからは牧場全体にEMを活用してさらにレベルアップした癒しの場にしたい。

比嘉教授コメント
高橋さんの花づくりは、すでに芸術のレベルに達している。高橋さんを目標に皆さんも精進してほしい。ホース・フレンズ牧場の事例は、やっかいな馬糞が地域のプロ農家の手を借りれば、素晴らしい堆肥になるという好事例。さらにボランテイアが、花づくりに協力して、癒しの空間づくりに参加し、まちづくりに貢献したという連携は素晴らしい。

「善循環の輪大阪inひらかた」での比嘉教授講話要旨


レベルアップしたボランティアになろうと話す比嘉教授
EMの本質は、①抗酸化(酸化をくい止める働き)、②非イオン化(電気を帯びさせない働き)、③重力波(有害波動を消す働き)。このEMの本質を理解して、あらゆるところにEMを使えば、低コストで様々な環境や健康問題を解決できる。EMは生き物だから、人間がどう扱うかが成果をあげるかあげないかのポイントになる。EMを上手に扱えば、お金がすべての世界をお金では換算できない幸福度の高い社会に変えることもできる。

淀川や日本橋川などは、多くのボランティアの手でキレイな川に蘇っている。世界でも、8月8日にマレーシアのペナン市で120万個のEM団子が2万5千人の市民によって川に投入する大イベントが行われた。こうしたうねりが、高まるのを期待している。

講演要旨
医療法人「照甦会」沖縄照甦クリニック医師 田中佳


脳神経外科の医学博士である田中医師
国民皆保険制度、乳幼児の低死亡率、世界トップクラスの長寿、ドクターヘリの整備、世界の保有するCTスキャンの1/4を所有など、医療制度と医療技術は世界で一番と言える日本。しかし、病気にかかる人は減らず、1回でも通院した国民は26億4千万人、医療費34.1兆円、そのうちガンで亡くなっている人の数は年間34万3千人で1日に942人。世界のガンの死亡率を見ると、先進国が軒並み下げているのに日本だけが伸びている。このような統計から、西洋医学に偏った医療のあり方に疑問を持つ。

未来のためには若い人を元気にしなくてはいけない。そのためには、①とりいれた栄養を上手に使う必須アミノ酸などの代謝物質を摂取すること、②農薬を使わない野菜や果実を食べること、③トランス脂肪酸の多いファーストフードは避けること。食べ物のみが、血や肉となるので、食材の質が健康の決め手である。その中心は細胞が酸化しない生活形態への転換なので、EM生活をしてほしい。

活動報告要旨
「EMで野菜づくり」じねんの会会長 山本次作(交野市)


イキイキと活躍するシルバー代表の山本さん
「EMでいきいき家庭菜園」をテキストに野菜づくりを行っている。若いころ、東京で暮らした時期に重いアレルギー性湿疹で2年間苦しむ。キャベツ療法を知り、実行したところ8か月で完治。その時の経験から、食の大切さを実感した。現在、20坪の畑でジャガイモ、ダイコン、ニンジンなど年間を通して野菜を栽培している。生まれた時心臓に問題があった孫が、EM野菜を食べて、スクスクと成長しているのが最大の喜び。大阪府の健康生きがいづくりアドバイサーを務めており、EMいきいき菜園でシルバー世代の生きがいづくりに貢献したい。

「枚方市の地産地消のモデルづくり」穂谷自然塾代表 谷崎利男(枚方市)


小学校で花壇づくりを指導
自然農法の技術を研鑽する塾で、農家など20人が参加。地域の生ごみなどを回収し、堆肥化、野菜栽培を行い、循環型の地産地消のモデルづくりを行っている。現在は、小学校の給食残さを乾燥したものや企業から出る乾燥生ごみ、豆腐店から出るオカラなどをEMボカシで堆肥化。これらとEM活性液を使って収穫された有機野菜は、レストランの食材として使われたり、市内の酒屋店の軒先で販売され好評。また、(財)自然農法国際開発研究センターの方を講師に「ひらかた自然農法塾」を開き、自然農法の技術普及のため活動している。

「枚方市の生ごみ堆肥化事業」エコ・スマイルひらかた代表 吉田忠雄(枚方市)


吉田さんのEM農法の田んぼ
平成12年「枚方市EM等堆肥化連絡会」として発足。平成15年には、特定非営利活動法人団体となる。参加メンバーは20余人。生ごみを堆肥にする市民に資材の調達・技術の支援を行い、市主催の生ごみ堆肥化講習会講師を務めている。また、廃校を利用した市の施設サプリ村野リサイクル工房で、定期的にEMボカシのつくり方を指導している。生ごみは燃やさないという良心の発案である堆肥化事業をコツコツと続ける。

 

「淀川のシジミ漁業」大阪市漁業協同組合漁場環境委員会委員長 北村光弘(大阪市)


全国のEM活用の河川浄化の弾みにもなった大阪湾再生事業
大阪湾再生事業は、市漁協が同干潟(幅約50メートル)に、平成15年から毎週1トンのEM活性液を13週間続けて投入し、7〜8メートルあったヘドロが消えて、大量のシジミが発生したことからスタートした。「シジミ」は人間の栄養源であるばかりでなく、環境浄化に欠かせないもの。シジミが壊滅している現状を回復していくかは、漁業関係者の死活問題だけではなく、日本の環境問題にとって重大なテーマでこれからも継続したい。その一貫として学校のプール清掃を通して環境教育にも取り組んでいる。

 

「EM効果でプラスチック革命」㈱ホワイトマックス代表取締役 増本勝久(枚方市)


地域のリーダーとして活躍する増本さん
塩素を含み再資源化に問題のあるプラスックにEM技術など特殊な加工を施し、自然にも人にも優しい製品を生み出した。今年度、「一般社団法人ホワイトネット未来号」を設立し、天の川清掃活動や、社内の生ごみを堆肥にして有機野菜栽培する循環農園、環境セミナーなど、さらに幅広い社会活動を行う。すべてにEM技術を施している本社ビルも完成した。一企業の社会貢献という枠を超えて、志のある人々の連携をめざして活動していきたい。

比嘉教授コメント要旨
EMを薬のような使い方をしないことをもう一度確認し、自分なりの扱い方を工夫してEMの可能性を引き出してほしい。淀川の浄化活動は、EMが本格的に河川浄化に効果があることを示す原点的な事例。日本各地でボランテイアによる川への一斉EM団子投入など、楽しいイベントができるとうれしい。その日も近いと思っている。

(2009年9月2日)

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