大会オーブニングでは、青少年で構成される南知多町和太鼓グループこころ会が力強い演奏を披露し、藤川幹生同大会実行委員長が「次世代に継承すべき環境を保全し、安全な食を提供する、農業のあり方を身近なところから見直して活動する必要がある」と挨拶した。
続いて、保田茂神戸大学名誉教授が「みんなで考えよう日本の食べ物の未来」と題し講演。日本の人口構成が逆ピラミッド型になりつつあり、農業従事者も60~70歳代に集中し、食料自給率が先進国で最低水準の40%しかないと説明した上で、「20年後には食べ物を失う可能性がある。自国の食文化を大事にしなかったことが原因」と指摘。「次世代のために良質で安全な食べ物をつくり、キレイな環境を取り戻そう」と呼びかけ、「ご飯や野菜を中心とした食生活をしよう」と総括した。
また、岐阜・愛知・静岡の3県のNPOや市民塾、特別養護老人ホームの代表らから、「生ごみリサイクル」「海・川の浄化」「農園づくりで食育」についての事例発表(要旨下記)があり、最後に比嘉照夫琉球大学名誉教授が登壇。3事例とも地域になくてはならない大きな取り組みになっていると講評し、「EMを使う活動を行うと喜びや楽しみを見つけることができ、さらにそれらをつくることができる」と持論を展開した。また、自ら実践する不耕起栽培のバナナ・野菜栽培の様子をスライドで説明。その素晴らしい作物の出来映えに、参加者から歓声が沸き起こった。
さらに、大会終了後に行われた懇親会では、自然農法・EM栽培の食材を使った料理が振る舞われた。参加者は舌鼓を打ち、互いに実践状況を報告し合うなど情報交換を行ったり親睦を深めたりした。なお、来年度の本大会は熊本県で開催される予定。
事例発表
「生ごみ回収からスタートした地域ぐるみの活動」 NPO法人ピープルズコミュニティ副理事長 浅野かつ代(岐阜県)
「よみがえれ伊勢湾・三河湾」 知多の自然を良くする会(湾・ワン・市民塾)代表 竹内睦冶(愛知県)
「E(笑顔で)M(みんな)と共に農園づくり」 特別養護老人ホームあおい荘生活相談員 濱浦学(静岡県)