ここ数年は、各自治体のごみ分別やリサイクルの実施率は高まり、残る問題は生ごみをどう解決するかに絞られた感がある。「生ごみは焼却から堆肥化へ」を目標に、行政も地域に適した生ごみリサイクルの方法を模索している。また、農業者の側からも、土の疲弊はもとより、コスト面からも化学肥料と変わらなくなってきた生ごみ肥料に注目が集まっている。
41万人都市・町田市民の挑戦
午前中の全体会では、市民協働でごみゼロの町をめざす41万人都市町田市の石阪丈一市長が事例を発表。町田市では、環境先進都市と市民共同都市という2つの目標を掲げ、公募による「ごみゼロ市民会議」をスタートさせた。50人募集のところを130人の応募があり、3部会11分科会と2つのプロジェクトに分かれて討議を行っている。生ごみ部会の取り組みとして、全量再資源化を目標に、個人への電動生ごみ処理機の無償貸し出しや、集合住宅用大型生ごみ処理機の設置など、積極的なモデルつくりを行っている。
生ごみは燃やさないが基本
また、講演では「最大の環境問題“地球温暖化”循環型社会の構築と生ごみの堆肥化」をテーマに、同堆肥化協会瀬戸昌之理事長が、「生ごみを燃やすには大量の助燃材が必要で、この助燃材に廃プラスチックが使われているために、CO2を増加させ、温暖化はもとより、汚染物質を発生させている。もし、生ごみなどの有機廃棄物を堆肥化や炭化させて土に戻せば、CO2は発生せず、地球温暖化に貢献する」と提案した。
EMの総合力で環境保全型の郷づくり
その中でEMを活用した事例として、笛吹市バイオマスタウン構想策定委員会委員の鮫谷陸雄さんが発表。鮫谷さんは、長年EMを活用している有機農家。委員会では、EM技術を全面的に取り入れ、環境保全型の食と農の郷づくりを行っている。生ごみ処理容器やEMボカシへの助成、大型生ごみ処理機のモデル地区への設置、学校給食の生ごみや果樹剪定枝の堆肥化などを全市的に行い、生ごみ堆肥を農地に入れることで、環境保全型農業を実現させている。モモやブドウなどの特産物を「笛吹ブランド」として全国に発信していくことや、温泉などの観光分野とのコラボレーションも計画されている。生ごみをEMで堆肥化するだけではなく、EMの総合的な力を発揮させて地域活性化を図る事業として、参加者の関心を引いた。