開会挨拶で若生寛志実行委員長(NPO法人足利水土里探偵団理事長)は、「葉鹿小の子どもたちがEMを投入している彦谷川につながる渡良瀬川に鮭が遡上(そじょう)してきている」と朗報を伝えた。来賓で挨拶した吉谷宗夫足利市市長は、「日本橋川や神田川でEMによる水質浄化が進んでいると聞いたが、神田川は学生時代を過ごしたところなので、あの汚い川がキレイになるのは大変うれしい」と述べ、さらに「葉鹿小エコクラブや足利水土里探偵団が取り組む環境浄化は、住民活動として高く評価している」とアピールした。降壇後にインタビューすると、「今日を機にEMに関心を持った。循環型まちづくりをめざしてEM活用を前向きに検討したい」と応えた。
足利市では、葉鹿小学校・葉鹿エコクラブやNPO法人足利水土里探偵団のEM活動は全国的にも知られているが、行政主導のケースには至っていない。インタビューの際、同席した若生理事長から「生ごみを回収し肥料化するには場所が必要。資源循環のモデルケースで、市は用地の提供を含めて検討していただきたい」と提案があった。これに対して、今後どのような動きが行政から出されてくるのか、今後の成り行きが注目される。
伊勢崎市の養豚業(有)宮田ブリーディングは、市街地で5500頭の豚を飼育。EM使用歴は12年で、仲間内から「爪にも汚れがない。宮田さんの豚は畳の上で飼っているのか」と評価が高い。宮田宏会長は、「糞尿は堆肥化され、有機農業をめざす地元農家に活用されている」と話した。
佐野市のEMエコの会・佐野(内田よしえ代表)は、学校のプール清掃やショッピングセンター・イオン店内におけるEM廃食油石けんづくり講習会、福祉施設と協働で地元企業アキレス(株)の浄化槽のニオイと汚泥対策に取り組んでいることなどを報告。益子町からは、町内26団体が参加する「益子の川をきれいにする会」による、百目鬼川水質浄化の取り組みをEMネットましこの河原弘道代表が発表した。
比嘉教授はそれぞれの事例に丁寧に講評。中でも、子どもたちだけで堂々と発表した葉鹿エコクラブには、「子どもたちは、EMの原点とも言える自己責任で喜びや楽しみをつくり出している。教育の本質とは、習ったことをベースに地域に役立つ活動をして、人生観と活きる力を育てることにある」と讃えた。
なお、次回の「善循環の輪の集い」は、3月1日、埼玉県川越市で開催される。