今回の事例発表は、有機農業、バイオマス、循環型社会、食の安全、協働をキーワードに市民、学校、企業の実践と成果を行政と市民が共有することを目的に構成された。
はじめに、津布田小学校の田坂雅樹さんが、校内で化学物質を使わない環境の実現をめざしている取り組みを報告。同小学校は、給食が毎食ご飯のため米のとぎ汁EM発酵液をつくり、これを活用し、プールやトイレ掃除などで、塩素、ワックスや消臭剤を使わない掃除を行っている。続いて、EMによる環境保全を目的としたグループホームづくりをめざす、コスモスの会(安部明子会長)が、旧山陽町役場の生ごみ減量化とタイアップし、現在では年間1トンのEMボカシ(生ごみリサイクル用)を市民に提供していることを発表した。
農業分野では、新規就農した環境蘇生塾の新田孝さんと、山口県エコファーマーの塩田和之さんが、健康な農産物づくりの素晴らしさを話した。また、柳井市の内山政夫さんは、仲間と地域のレストランの生ごみを週1回回収し、ドラム缶2~3杯分の生ごみ堆肥で、米や野菜を栽培。その野菜の一部を朝市で販売し好評を博していることやEM活性液を使用する生ごみ堆肥化の方法を披露した。漁業では、漁師など16人が参加する「厚陽の自然をとりもどし隊」の倉重穣次さんが、アサリ貝の復活をめざして奮闘していることをアピールした。
比嘉教授は、発表者の質問に丁寧に答え、終始和やかな雰囲気の中で、ディスカッションが行われた。中国・四国地方のEM実践者も参加した会場内では、EMボカシやEM活性液のつくり方などの意見交換をする姿も見られた。
なお、次回「善循環の輪の集い」は、9月22日、熊本県菊池市で開催される。