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環境にやさしいまちづくりめざして - 三重県四日市市

四日市ぜんそくで「公害のまち」としてその名が全国区になった四日市市は、環境問題に積極的に取り組んでいる。市としては経済産業省と環境省が推奨するエコタウン事業を推進。住民レベルではNPOや子どもたちが、河川浄化や環境学習でEMを活用し効果を上げている。市としてもその活動をバックアップしている。

 

●EM投入で河川に変化

 

全国各地から視察の申し入れがある阿瀬知川。ヘドロがなくなり砂地が見え、魚が大量に泳ぐなど生態系も復活
全国各地から視察の申し入れがある阿瀬知川。ヘドロがなくなり砂地が見え、魚が大量に泳ぐなど生態系も復活 
どの地域でも下水道の整備の関係上、河川の汚染は深刻な問題になっている。四日市市も同様で、市中心部を流れる全長5kmの阿瀬知川は、ヘドロの悪臭が漂っていた。平成12年当時、地域住民の苦情も出ている中、阿瀬知川浄化のために、地元のボランティア団体「NPO法人イーエム市民広場」(小川敦司理事長)のメンバーが立ち上がった。

 

市が3000万円をかけて浚渫(しゅんせつ)を試みたが資金は底をつき、すべてのヘドロを除去することはできなかった。しかし、ボランティア団体が米のとぎ汁EM発酵液とEM団子を投入したところ、わずか1年間で悪臭が軽減し、下の砂地が見えるほど大量のヘドロの分解に成功した。

 

この結果を見て、EMに対して半信半疑だった地元自治会のメンバーが奮起し、「阿瀬知川を美しくする会」(堀木忠朗会長)が立ち上がった。

 

現在でも、定期的に米のとぎ汁EM発酵液やEM団子を投入し、この活動に会員をはじめ住民や地元企業も協力している。市からの補助金や慈善団体から資金援助を受けており、全国から視察が訪れるまでになった。

 

●夢は市内全校でEM一斉投入

 

7年続いているEMを活用した環境学習。先生をはじめPTAやNPOのサポートが不可欠
7年続いているEMを活用した環境学習。先生をはじめPTAやNPOのサポートが不可欠
また、学校の環境学習の場でもEMが大活躍。大谷台小学校、海蔵小学校とその2校の卒業生が進学する山手中学校の子どもたちと各学校のPTAやNPO、地域の人たちが、学校の枠を超え、共同して河川に米のとぎ汁EM発酵液を流している。河川浄化から始まったEM活動が、プール清掃や花・野菜づくりなど、地域社会と連携を取る活動に広がっている。

 

井上哲夫市長も「EMによる河川浄化を総合学習の時間に組み入れることは、副次的な効果として、地域の住民との協働にもつながっており、教育手段として良いことだと思う」と評価している。PTAでもあるNPOイーエム市民広場の小川理事長は、「学校が中心になって地域コミュニティーがつくられるように取り組みたい。夢は市内62校の小中学校で河川に米のとぎ汁EM発酵液投入すること」と一層のEM普及に意気込んでいる。

 

●農水産業活性化に向けて

 

現在、市では、EMを活用した阿瀬知川浄化活動に補助金を出しており、さらに、無農薬無化学肥料栽培推進事業、豊かな海つくり推進事業でもEMを積極的に活用している。

 

農業では小林さん(左)・環境浄化は小川さん。分野は違えど市でのEM活動を盛り立てる中心人物
農業では小林さん(左)・環境浄化は小川さん。分野は違えど市でのEM活動を盛り立てる中心人物
無農薬無化学肥料栽培推進事業では、取り組みの1つとして平成16年から有機野菜づくり講習会を行っており、講師として地元のEM活用農家・小林忠平さんに依頼。家庭菜園を実施する市民が多数参加している。さらに市では農家レベルでも実施者が増えるよう取り組んでいる。

 

豊かな海つくり推進事業では、魚や貝類などが生息できる環境を取り戻すための取り組みの1つとして、漁港や周辺河川にEM活性液やEM団子を投入。広大な海の浄化を試みるために、漁協やNPOの協力を受けてEM活性液を大量につくるなど、効率的な方法を模索している。また、この方法が近隣の鈴鹿市でも始まっている。

 

四日市では、市と市民、企業やNPOなどがEMを媒体に協力関係を築き、"環境にやさしいまちづくり"に邁進している。[2007/2/14]


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