●EM投入で河川に変化
市が3000万円をかけて浚渫(しゅんせつ)を試みたが資金は底をつき、すべてのヘドロを除去することはできなかった。しかし、ボランティア団体が米のとぎ汁EM発酵液とEM団子を投入したところ、わずか1年間で悪臭が軽減し、下の砂地が見えるほど大量のヘドロの分解に成功した。
この結果を見て、EMに対して半信半疑だった地元自治会のメンバーが奮起し、「阿瀬知川を美しくする会」(堀木忠朗会長)が立ち上がった。
現在でも、定期的に米のとぎ汁EM発酵液やEM団子を投入し、この活動に会員をはじめ住民や地元企業も協力している。市からの補助金や慈善団体から資金援助を受けており、全国から視察が訪れるまでになった。
●夢は市内全校でEM一斉投入
井上哲夫市長も「EMによる河川浄化を総合学習の時間に組み入れることは、副次的な効果として、地域の住民との協働にもつながっており、教育手段として良いことだと思う」と評価している。PTAでもあるNPOイーエム市民広場の小川理事長は、「学校が中心になって地域コミュニティーがつくられるように取り組みたい。夢は市内62校の小中学校で河川に米のとぎ汁EM発酵液投入すること」と一層のEM普及に意気込んでいる。
●農水産業活性化に向けて
現在、市では、EMを活用した阿瀬知川浄化活動に補助金を出しており、さらに、無農薬無化学肥料栽培推進事業、豊かな海つくり推進事業でもEMを積極的に活用している。
豊かな海つくり推進事業では、魚や貝類などが生息できる環境を取り戻すための取り組みの1つとして、漁港や周辺河川にEM活性液やEM団子を投入。広大な海の浄化を試みるために、漁協やNPOの協力を受けてEM活性液を大量につくるなど、効率的な方法を模索している。また、この方法が近隣の鈴鹿市でも始まっている。
四日市では、市と市民、企業やNPOなどがEMを媒体に協力関係を築き、"環境にやさしいまちづくり"に邁進している。[2007/2/14]