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8年継続の生ごみ堆肥化事業 - 岐阜県岐阜市

40万都市のごみ問題対策を視野に、生ごみ堆肥化事業を、地元NPOと組んで8年間継続。市内を9ブロックに分け、1,140世帯で実施し、18年度は約2,200万円の予算を付けている。継続の秘訣は、200回以上繰り返してきた勉強会と生分解性の袋や処理機の開発、回収・堆肥利用の仕組みなどを絶えず研究していること、行政担当者が変わっても引き継ぎがしっかりでき、NPOとの連携が密なことが上げられる。
●市とNPOの連携で事業開始
自然共生部循環型社会推進室計画推進グループ 画像
現在の行政担当者は、人・自然共生部循環型社会推進室計画推進グループの中村主任(左)。NPOの藤川理事長(右)と常に意見交換を行う
EMを活用した生ごみ処理は、多くの自治体や企業、個人で取り組まれているが、その中で岐阜市の「生ごみ堆肥化推進事業」は、平成11年から市とNPOが連携して、現在まで継続している。

事業開始以前にも、市では家庭でのEMボカシやコンポスト、電気式生ごみ処理機を使用したリサイクルを推進してきた。しかし、堆肥の活用用地や使用者の継続意識や手間の問題で、家庭での自己処理に依存する方法に限界を感じていた。

そこで、市は「環境浄化を進める会 岐阜」の藤川理事長と協議し、平成11年度から「生ごみ堆肥化モデル事業」(平成14年度から「生ごみ堆肥化推進事業」と名称変更)をスタート。事業性を検証するため、5地区523世帯に参加してもらい、試験的に生ごみ分別収集から堆肥化までを行った。現在では、9地区1,140世帯が事業に参加している。
●地道な活動で運動拡大  

藤川さんは、市と連携する以前から自宅でEMボカシをつくり、近隣に無料配布をし、生ごみ減量運動を展開していた。口コミで広がったこの運動は、市から早い時期に注目されていた。市でもこの運動を盛り上げようと、藤川さんを講師に市内各地で説明会を開催。その数は現在に至るまで200回を越えている。

藤川さんを中心に「環境浄化を進める会 岐阜」が、イベントや地域での説明会で生ごみ減量運動の啓発活動を行い、地道に活動を続けることで、理解者や協力者が増えている。藤川さんは、「市との信頼関係が、14年間も続いている。行政に頼むだけではなく、自分たちもやる気を見せることが大切。私は友人の市議員が市の職員と引き合わせてくれたのがきっかけだった。行政と民間の人がつながり合う時期は必ずある。そのチャンスを逃さず行動できる体制を常につくっておくことが重要だ」と力強く語る。

NPOメンバーが専用車で生ごみ回収 画像
NPOメンバーが専用車で生ごみ回収
●1万世帯実施へ邁進
藤川さん考案の生ごみ処理機が大活躍 画像
藤川さん考案の生ごみ処理機が大活躍
地元JAの生産者が堆肥を使って米づくりを実施 画像
地元JAの生産者が堆肥を使って米づくりを実施
生ごみ堆肥化事業の流れは、
[1].各家庭で生ごみを分別し、生分解性処理袋に入れる
[2].各地区にある収集場所に生ごみを持ち寄りNPOが週1回、回収
[3].処理場に設置した専用処理機で、袋に入れたまま破砕
[4].乾燥機にかけ、発酵槽で1次~3次発酵させる
[5].90日で堆肥が完成
[6].堆肥は農家やNPO実証農場で使用
主な作業は、主婦を中心とした6人のNPOメンバーで行っている。
事業を推進する市職員担当者が変わると、事業が打ち切りになるケースもよくあるが、岐阜市の場合は、きちんとした引き継ぎ書類が作成されており、新しく担当になった職員が今までの流れを把握して、事業をサポートすることができるようになっている。
今後も市とNPOが密に連携を取り、当面は1万世帯回収を目標に事業を拡大していく方針。 [2006/12/7]

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