カテゴライズ主義。と言う言葉があるかどうかはしらないけれど、要は、なんでもカテゴリー(ジャンル)別に評価するタイプの人たちを、仮にそう呼んでみた。そして、そういう人たちに、問題はジャンルではなく、コンテンツ(中身)でしょうと言う話をしたい。それが今回の中身です。
有機農業か慣行農業か、小規模農業か大規模農業か。一次産業か六次化か、農業か工業か、はたまたサービス業か。田舎か都市か。
単純で二者択一的な話に置き換えて、どちらが良いと、不毛の議論を繰り返している場合ではない。技術もない形だけの有機農業は、味も見てくれも悪いけれど、土づくりに力を入れ、熟練の管理技術で、手を掛けた農産物は、慣行栽培でもクオリティは高い。面積の大きい北海道や東北なら大規模の方が効率的だろうし、単位面積の小さい中山間地なら、当然小規模農業だろう。そうであれば小規模であるがゆえの特徴を生かした、経済的にも可能性の高い、クオリティに特化した生産体制が求められる。 甘みを増したホウレンソウ 2月取りの大根が、何とか大きくなった 春が待ち遠しい、ソラマメ
美しい自然に囲まれた田舎のたたずまいは、存在こそが人々の癒しの場でもあるし、都市部に必要な食料の生産、供給機能も果たしていれば、日本全体の環境保全機能や多面的機能も果たしている。都市部は、莫大な消費と、雇用を創出し、日本経済の機関車としての役割も果たしている。どちらが良いという話ではなく、どちらもそれぞれの役割を背負っていて、この相互に依存している体質を、きちんと自覚、評価したうえで、依存型から補完型、さらには創造的な役割分担型と、発展的な共存型に社会を改革する必要がある。その中身ときめの細かな組み合わせが問われているのだ。
「私は、絶対パンとバターやき」
「あほ、ご飯とみそ汁が美味いにきまっちゅう」
だから、そう言う話ではなく、パンであれ、バターであれ、ご飯であれ、みそ汁であれ、そのクオリティが問題なのだ。場合によっては、質より量、つまり安いもの、便利なもの、と言う選択肢も当然ある。単純な話に置き換えて、「どちらが良い」と、不毛の議論をしている場合ではないし、夫婦喧嘩は犬も食わない。自家用の明太子なら、傷物の格安品で十分でしょう、とか。えっ何?いえ、なんでもありません。
農業の話にもどります。地方の生産力、都市の消費力をきめ細かく結び付け、有機農業、慣行農業、小、中、大規模な農業。個人農家、法人農家、大規模企業型農業。が、それぞれの特徴に基づいた有機的な(血の通った温かみのある)ネットワークを、社会全体で横断的に確保し、様々な形態が相互補完的に機能していく状態をどう作るのか。ことは農業だけではなく、一次産業だけの問題でもなく、世界とも連動した日本社会の方向性を踏まえた上での話だから、とても難しい。とても難しい問題ではあるけれど、当然、やる必要がある。誰がやるのか?もちろん年寄りも頑張るけれど、これからその中心になるのは若い人たちだ。
と言うことは、人材育成、担い手確保、世代交代。が最大の課題となる。
これをどうするか。
再度農業の話。一次産業とは、文字通り太陽のエネルギーを一次的に製品化する産業。例えば、光のエネルギーが光合成を経て、ダイレクトに作物となる。人間が手を加えない食物連鎖の中では漁業資源も生まれる。二次、三次産業になるにつれて、そのエネルギーの流れは複雑になり、総量は大きくなり、ダイレクト感も薄れてくる。だから不要と言うのではなく、そのコンテンツ(中身)である、エネルギーの流れの効率と循環、そして再生。その豊かな形態がもたらす社会に対する貢献の、中身が問題になると言っている。もちろん生活者に対する最大のサービス業である政治も行政もしかりだ。これから出てくる若い力をいかに活かすか。それが医療や教育、福祉の充実と並んで、政治と行政と大人たちが担う、次世代への最大のサービスである。
「今夜は、何時から、ご飯にする?」
もちろん当事者である若い人たちも汗をかく。そのためには自分の経営の成功を目的にしてはいけない。それはあくまでも通り道なのだ。目的は社会貢献と自己実現。それを念頭に置かなければ、経営の成功はありえない。なぜなら、意識が内側に向いて、小さく固まってしまえば、学び、働くモチベーションが持続しないからだ。だから、これは、夢のような理想論ではなく、極めて現実的な経営論なのだ。
「ちょっと、もうそれはえいき、早くご飯食にしようや、お腹すいたちや」
原発?それはダメだ、議論の余地はない。そもそも、この太陽系の中では、太陽のエネルギー以外のものはー循環、再生しないものはー使ってはいけないことになっているのだ。
「だから、その話はもうえいき、お運びぐらいは手伝ってちや」
自分の経営をどうするか、ではなく、日本の農業をどうするか。この社会をどうするのか。 その客観的な思考が、自分の経営の成功につながるのだ。
★★★ ワンポイントアドバイス ★★★ 真冬の葉物栽培、保温のためのビニールトンネル栽培の注意点。
「暖かい日の高温と、過湿対策」 寒い日でも晴れればトンネル内は30度、暖かい日は40度を超えることもあります。暖かい日が続くと、軟弱徒長し、高温で表皮や組織が障害を受けることもあれば、朝晩での低温、凍害で、さらにダメージを受けます。また、トンネルのかけっぱなしは、過湿でカビが発生し、それが原因で様々な生理障害を起こすこともあれば、病気に感染することもあります。これらの原因となる高温や過失を防ぐには、適度にトンネルの開閉を行いましょう。 目安は日中最高温度を30度ぐらいまでとし、トンネル内が結露して、曇っている場合は、湿気が抜けて、ビニールが透明になるように、換気します。
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