第12回 EM柴田農園直伝 〜片づけは来年の大切な準備
何事も「片づけ」となると後回しになってしまいがちですが、皆さんは如何ですか? 農業も収穫後は後片付けに追われます。私のところでは、12月に入り霜が降りたのを機に、早々にトマトの片づけをしました。片づけは来年の準備を兼ねたとても大切な作業です。寒いからと言って後回しにはできません。
今年1年のトマト栽培を振り返ると、5月14日に定植、7月6日から収穫が始まり化学肥料や農薬に頼らなくても長期間栽培できますよと連載の第5回、第6回、第7回、第10回を通してお伝えしてきました。しかし寒さには勝てません。12月に入り連日マイナスの気温となり、トマトの実が凍ってしまい栽培が終了しました。
通路にあるトマト、もったいないですよね。でも凍ってしまったので食べることができません。残渣として土に還ってもらいます
片付けといってもできるだけ小さくカットして通路に落とすだけです。このトマトの残渣も来年の貴重な有機物として土に還ります。すべての作物にいえることですが、「収穫物以外は畑から持ち出さない」のが原則です。 以前自然栽培の方から、「黒マルチや誘引用のヒモは自然に反しますね」と言われたことがあります。私も農業は意外と使い捨ての資材が多いと感じていましたが、省力化そして環境への配慮などを考えると、まだまだ検討しなければいけない課題がたくさんあります。
トマトのコンパニオンプランツとして定植時から一緒に育ってきたニラはトマトがなくなり元気です。来年もトマトやナス、ピーマンのコンパニオンプランツとして使うので、5月のトマトの定植までこのままにしておきます。言い換えれば、コンパニオンプランツ用のニラを栽培しているのです。
最後にすべてのビニールを剥がします。ビニールに覆われていたハウス内に雨や外気を直接当てることで栽培環境のリセットにもなります。天井のビニールを剥がすのは手間ですが、雪対策にもなるので必ず剥がすことにしています。 これで片づけ終了です。
上の2棟並んだ畑の写真の左側はトマトを栽培していたハウスで、右側はウリ科(カボチャ、ゴーヤ、ヘチマ)を栽培していた畑です。下の3枚の写真の説明のように、ウリ科は9月で栽培が終了してしまうので、早くもここでは来年トマトを植えるための土づくりを始めています。そして来年の6月になると、トマトを栽培していたハウスにウリ科を栽培します。それまでこのハウスで育っていたニラは、コンパニオンプランツとしてトマトの側に移植します。 このように毎年ナス科のトマトとウリ科を交互に入れ替え、畑のスペースを効率よく使っています。特にトマトは連作障害が気になるので、1年おきでも効果があると思います。
(左)8月の最盛期のカボチャ (右)9月には、カボチャなどウリ科の収穫が終わるとトマトと同じく残渣を小さくカットし、雑草をたっぷり乗せます 12月になってから有機石灰の「カキ殻」を投入します。来年春にはニガリを入れます
私の農園の圃場は耕しません。というより耕す機械を持っていません。EMさんたちが常に耕してくれているので土は柔らかいです。12月からEM散布はお休みしていますが、春になったらまたEM散布を日課にします。 これで2021年の農作業は終了です。 農閑期の2月には茨城県、3月には神奈川県でEMの勉強会を開催予定です。EMの勉強会を通して皆さまとお会いできたら嬉しいですね。 「50から畑人」に1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。 2022年も続きますので、どうぞよろしくお願い致します。
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