第11回 EM柴田農園直伝 EM生ごみ堆肥づくり〜ベストな比率は1対2〜
今年も残すところひと月とちょっとになりました。今回は生ごみを使った堆肥づくりをご紹介しましょう。これはEM柴田農園が何年もかけて試行錯誤してたどり着いた方法で、これから先さらに良い方法を見つけて進化していくこともあると思います。また、生ごみ堆肥のつくり方はいろいろありますので、その中の1つとして読んでいただければ幸いです。 (註)EM研究所のホームページでは、密閉容器の中で生ごみとEMボカシを混ぜて作った完成品をEM生ごみ発酵肥料と表記していますが、グループや地域でそれぞれ呼び名が異なる場合もあります。このEM生ごみ発酵肥料と土を混ぜて、さらに寝かせたものをEM柴田農園では『EM生ごみ堆肥』と呼んでいます。EMの使用経験の長い方には『土ボカシ』に似たもの、といえば、イメージしていただきやすいでしょうか。
生ごみが発酵したら畑で堆肥化
EM柴田農園では、生ごみは水抜きコックの付いた密閉式のバケツにEMボカシと混ぜ合せて入れています。
密閉容器が並んだ写真
さぁて、この比率は何だと思いますか? これは生ごみと土の比率です。そしてこの比率は重量ではなく容量です。 要するに、生ごみがバケツ1杯だったら土はバケツ2杯必要ということです。
まず、生ごみが入ったバケツの底に溜まった水分をしっかり抜きます。バケツのコックを開けて水分がでない場合はすぐ作業に移ることが出来ますが、水分が溜まっている場合は水分が出なくなるまでしばらく待ってからにします。 次に、厚手のビニールを広げて用意した土、その上に生ごみを空けます。 土の上に乗せることで、生ごみの水分が土に浸透して扱い易くなり、ビニールにも生ごみが直接付かないので次の工程に移るのに手間取らなくてすみます。実際にやってみると"なるほど"と納得できると思います。
混ぜ始めてしまったら誰が何と言おうと、スマホに呼ばれても無視してひたすら混ぜましょう。途中で放置すると暖かな時期は特に発酵臭に敏感なハチやハエなどが寄ってきますし、生ごみと土にまみれた手袋を外すのも再びはめるのも結構大変です。
生ゴミと土を混ぜて水分の調整が出来たら、堆肥を必要としている箇所に直接積み上げます。
こんもり積み上げたら、周りにこぼれた野菜くずを山の中に押し込みます。 こぼれるものは野菜のヘタや切り落としてコロコロしたものなど小さな塊りの物がほとんどで、経験的にこのような硬い物が山の表面にあると分解が遅いことが多いため、拾って中に押し込んでいます。 押し込み終わったら雑草を乗せ、山全体に広げます。雑草は、生ごみが発酵・分解するときに出た熱により発生した水蒸気が、工程その6で被せるビニールシートに当たって水に戻り(結露)、直接山を濡らすのを防ぐ緩衝材の役割をしてくれます。 次に、山の周りに溝を掘ります。雨などの水が生ごみと土を混ぜた山に入らないようにするためです。水が入り、溜まったままだと腐敗する危険性があるので、傾斜をつけるなどして水を逃がす工夫をすることが大切です。写真では分かりづらいかも知れませんが、黄色い枠のところが低くなっていて雨水が流れ込む溝の役割をしています。
最後に、生ごみと土を混ぜる時に使ったビニールシートをかぶせ、風で飛ばされないように石などで押さえます。 写真では石を2個しか乗せていませんが、風当たりの強い場所では山の周りを囲むように石やレンガを乗せておくと安心です。 この状態で少なくとも一ヵ月、できれば一ヵ月以上は置いておきましょう。
一ヵ月以上経ったらビニールシートを外してみましょう! 山に被せた雑草は茶色くカラカラに乾いて残っています。 イネ科の雑草は残っていることが多いですが、双子葉で繊維質の少ない柔らかい雑草はほとんど残らない場合があります。 乾いた雑草を取り除くと白っぽい山が現れます。"菌ちゃん"こと微生物いっぱいの生ごみ堆肥の完成です!
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