取り組みの特徴は、毎週1回(2限分)の総合学習の時間でEMを活用していること。EM活用2年目の平成20年度は、1学期に「EMとは何か」の基礎的な授業に始まり、清掃(プール・トイレ・飼育小屋等)、EM団子で水質浄化、EMボカシで野菜づくり、鉄くぎの酸化実験や洗浄実験など多岐にわたる授業を行った。2学期は、「野菜・花」「清掃」「EM団子」「飼育小屋」「開発実験」「報道」の6つのグループの中から、自分たちの興味のあるテーマに分かれ、専門的に学びを深めた。3学期は、毎年12月に行われる白子小祭り(学校祭)での発表に向けてまとめの学習を行っている。
「野菜・花」グループでは、自家製のEMボカシを学級菜園に活用。今冬はダイコンやハクサイ、キャベツを栽培している。「清掃」グループでは、自分たちでつくったEM活性液の希釈液を、専用のスプレーヤーで、トイレやガラス、流しなどに吹きかけている。また、慣れない手つきでアクリルタワシをつくり、清掃に活用している。「EM団子」グループでは、川や海をキレイにしようと、定期的に投入している。昨年から投入している学校池は、継続的な投入で澄み切った水を取り戻した。
「飼育」グループでは、EMボカシとEM活性液を飼育小屋にまいている。ニオイ対策になり、糞をとらずに土化されるようになった。「開発実験」グループでは、汚水の浄化実験や汚れ落ちの状態を確かめる寒天培養実験、ぞうきんの洗浄実験などを行っている。「報道」グループでは、他の5グループの取り組みを逐次取材し、新聞やポスターをつくって校内の各所に張り出している。また、自分たちでシナリオを書きビデオ撮影もして、白子小祭りで上映できるよう制作活動を行っている。
EMパワーを体感
担任の菅山先生は、「EMの効果は、自宅トイレの嫌なニオイがなくなることで実感しました。今後は、1年間の授業を経験した5年生が、6年生になったら低学年にもEMのことを教えられるようなシステムにしたいです。学校全体がEMを使って環境浄化に取り組んでほしいです」と話す。その手始めの取り組みとして、今年から清掃委員会(5〜6年生で構成)と連携して、EM清掃に取り組むよう働きかけている。
先生とともに子どもたちのEM活動をサポートする地元のEMインストラクター・林俊夫さんは、「EM活動は、毎日の積み重ねが大事で、一過性のものではありません。EM活動は環境のみならず食育も絡んでいて、この学びを通して子どもたちに命の大切さを感じてもらいたい」と、毎週の授業に必ず駆けつけ、子どもたちに熱心に教えている。先生やボランティアのサポートもあり、子どもたちも「野菜がよく育つようになった」「微生物の力ってすごい」「もっといろいろな使い方をしてみたい」とEMパワーを体感している。
白子小学校ホームページhttp://www.edu.city.suzuka.mie.jp/shiro-e/
学校におけるEMを活用した環境についての取り組みを地域のEM実践者やボランティアとともに支援していくためのネットワークです。 URL http://www.school-el.net/