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寺院内にある今治幼稚園。仏教的保育の中に茶道や陶芸を取り入れている
「ドンドン!」「ジャーン♪」
大太鼓や小太鼓、シンバルの音が鳴り響く境内。親子運動会を控え楽器の練習をする園児たち。
「こんにちは〜!」
満面の笑みを浮かべ、次々と園児たちが駆け寄り声をかけてくる。そんなアットホームな雰囲気の今治幼稚園。今治駅から歩いてわずか5分、町中にある幼稚園だ。 ここは明治38年に創立された西日本でも最古の幼稚園。高野山今治別院の住職である谷本祥龍さんが園長を務めている。


先生たちが定期的にEM活性液をトイレに流す


園児たちが積極的にEMを活用している

楽しそうにEMボカシをつくる園児たち
トイレのニオイが消えた

EM活用のきっかけは、平成9年に園長がEMの開発者比嘉照夫教授の講演会を聞いたこと。早速、寺の3代目で園の環境アドバイザーの谷本衣観さんに勧めた。当時トイレが臭く、ニオイ対策で米のとぎ汁EM発酵液をつくり流した。

しかしこれが敢えなく失敗。うまく発酵液がつくれず逆にニオイが出てしまうほどになった。「とにかくくやしかった」と振り返る衣観さん。当時、EM活用技術が広く普及されていない中、地域のEM利用者と情報交換をしながら試行錯誤で取り組んでいった。

そのような中、ある日突然、トイレのニオイがパッと消えた。それを見てEM使用に反対していた先生たちも協力してくれるようになった。その後、園児でも使えるよう小型スプレーヤーを教室やトイレに常備させる。

特に、教室やトイレ、飼育小屋の掃除、花の水やり、砂場の水遊びなどでは、園児たち自らが積極的にEMを使っている。また、先生たちがEM活性液をつくり、他にもEM石けんづくり、園バスへのスプレー、排水口へEM団子投入などを行っている。これらの活動の一部は保護者も参加しており、園全体でEMを活用するようになった。

また、園では保護者に対して、EM講習会も行う。子どものおねしょのニオイ消しなど、日常生活でも使えることを伝えている。入園見学で訪れる保護者からは、トイレのニオイがないと好評だ。

「EMを使っていると不思議と子どもたちが落ち着き、生き生きとしているように思う。幼稚園が情報発信源となり家庭や地域でEMが使われるようになっている」と、副園長の谷本幸代さんは喜んでいる。今年からは、県「教育改革推進モデル事業」の助成を受け、園入口に菜園・花壇を建設。EMを活用して花や野菜づくりにも取り組む予定。まさに、園全体がEMのすみかになろうとしている。

掲載日:2008年11月10日
EL−net(環境学習ネットワーク)とは

学校におけるEMを活用した環境についての取り組みを地域のEM実践者やボランティアとともに支援していくためのネットワークです。
URL http://www.school-el.net/

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