EM活用のきっかけは、平成9年に園長がEMの開発者比嘉照夫教授の講演会を聞いたこと。早速、寺の3代目で園の環境アドバイザーの谷本衣観さんに勧めた。当時トイレが臭く、ニオイ対策で米のとぎ汁EM発酵液をつくり流した。
しかしこれが敢えなく失敗。うまく発酵液がつくれず逆にニオイが出てしまうほどになった。「とにかくくやしかった」と振り返る衣観さん。当時、EM活用技術が広く普及されていない中、地域のEM利用者と情報交換をしながら試行錯誤で取り組んでいった。
そのような中、ある日突然、トイレのニオイがパッと消えた。それを見てEM使用に反対していた先生たちも協力してくれるようになった。その後、園児でも使えるよう小型スプレーヤーを教室やトイレに常備させる。
特に、教室やトイレ、飼育小屋の掃除、花の水やり、砂場の水遊びなどでは、園児たち自らが積極的にEMを使っている。また、先生たちがEM活性液をつくり、他にもEM石けんづくり、園バスへのスプレー、排水口へEM団子投入などを行っている。これらの活動の一部は保護者も参加しており、園全体でEMを活用するようになった。
また、園では保護者に対して、EM講習会も行う。子どものおねしょのニオイ消しなど、日常生活でも使えることを伝えている。入園見学で訪れる保護者からは、トイレのニオイがないと好評だ。
「EMを使っていると不思議と子どもたちが落ち着き、生き生きとしているように思う。幼稚園が情報発信源となり家庭や地域でEMが使われるようになっている」と、副園長の谷本幸代さんは喜んでいる。今年からは、県「教育改革推進モデル事業」の助成を受け、園入口に菜園・花壇を建設。EMを活用して花や野菜づくりにも取り組む予定。まさに、園全体がEMのすみかになろうとしている。
学校におけるEMを活用した環境についての取り組みを地域のEM実践者やボランティアとともに支援していくためのネットワークです。 URL http://www.school-el.net/