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関門海峡を臨む山口県山陽小野田市の市立津布田小学校(磯部吉秀校長・児童数67人)は、EMによる浄化・環境型エコスクールづくりに全校児童で取り組み、19年度の「やまぐちエコリーダースクール」に認定されました。この認証システムは、児童生徒が環境保全に対する知識を正しく理解し主体的な行動をとることを目的に環境教育に取り組み、その成果が認められた学校に与えられるものです。

学校が環境浄化源に

学校内における有機物のリサイクルシステム
学校内における有機物リサイクルシステム 
津布田小学校では、学校から出る有機廃棄物を再資源化するだけではなく、それらを使って学校で使う化学物質の使用を限りなく少なくする取り組みを行っています。

具体的には、学校で出る米のとぎ汁や廃食油、残飯、残さ、草花、剪定くずを、EMを使って米のとぎ汁発酵液や廃食油石けん、堆肥などにかえて再資源化する、循環型学校への挑戦です。

これらの資材をプールやトイレ掃除、園芸に活用することで、塩素や消臭剤、化学肥料、農薬を使う必要がなくなり、学校から外に流れる化学物質を軽減化することができます。その結果、周辺の環境を汚さず、海の浄化にも役立つことができるというわけです。

学校の存在そのものが、環境に負荷をかけず、環境浄化の場になっています。もちろん、その主人公は子どもたち。日常的にEMを使うことで、環境意識の高い子どもたちが育っています。

日常の掃除に活用

子どもたちが手で扱っても安心
子どもたちが手で扱っても安心
給食室から出る廃油は、EM石けんづくりに使います。EM石けんとスプレーに入った米のとぎ汁発酵液が、トイレにいつも用意されていて、いつでも使えるようになっています。 また、トイレだけではなく、学校内すべてを米のとぎ汁発酵液とEM石けんで掃除しています。

また、米のとぎ汁EM発酵液は、プール掃除にも使用しています。今年5月に300リットルを投入し、3日後からヘドロの分解が始まり、全校児童による6月のプール清掃時では、従来の半分の時間でキレイになりました。

有機農業にも取り組む

EM石けん水を使って床掃除
EM石けん水を使って床掃除
週2回の米飯給食のごはんは、各学年に用意された炊飯器で炊かれます。この時に出るとぎ汁で月に200リットルの米のとぎ汁EM発酵液を環境委員会の子どもたちが、仕込みます。

給食の残さや食べ残し、校庭の木の葉などを米のとぎ汁EM発酵液で堆肥化させ、学級花壇の土に入れます。毎年行われている1人暮らしのお年寄りとの「ふれあい訪問」に届ける鉢植えにも活用し、元気な花をプレゼントしました。

また、JA山口宇部や美祢農林事務所、山陽商工会議所の人たちと学校でつくった堆肥を入れた農地にジャガイモ植え、化学肥料や農薬を使わない有機農業を実践しています。

無駄なものはない

無農薬無化学肥料で有機園芸を実現させる
無農薬無化学肥料で有機園芸を実現させる
これらの活動を通して、子どもたちは、身近に出るゴミはゴミではなく、一工夫すれば、環境を良くするものに変わるということを実感しています。今年地域で開かれた、比嘉教授を招いてのEM大会に環境委員会の児童が参加し、比嘉教授にEM石けんのつくり方について質問しました。先生直伝のEM石けんは、この秋のバザーで大好評でした。担当教諭の田坂雅樹先生は、「子どもたちが、なにごとにも積極的に行動するようになって、とてもうれしい。これも、実践できる環境教育の醍醐味と思います」と話しています。

掲載日:2007年11月26日

EL−net(環境学習ネットワーク)とは

学校におけるEMを活用した環境についての取り組みを地域のEM実践者やボランティアとともに支援していくためのネットワークです。
URL http://www.school-el.net/

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