毎年恒例で行われている同ネットワーク関東の技術交流会ですが、施設・作業所のEM担当者にとっては日頃の疑問や不安を解消して、連帯感を持ち続けられる交流の場となっています。しかし、ここ数年の経済不安や自立支援法による運営の見直しで、参加者は年々減る傾向にあります。今年は、10施設・作業所の代表と支援者に推進委員を含む28人が参加しました。
同ネットワーク名誉会長の比嘉節子さんは、「皆さんは私の人生に多くの意味を与えてくれた教師です。施設でつくるEMボカシが地域の人々や行政、学校とのつながりを得て、さらに広がっています。これを機に、これからは生ごみの減量、処理するという考え方から、楽しむという意識に変えていきましょう。皆さんは良質のEMボカシをつくることを楽しんでほしい」と話し、生ごみを楽しむ秘訣として「EMボカシを惜しみなくたっぷり使って、良い発酵肥料をつくることを普及し、良い花、野菜づくりをするお手伝いをしていきましょう」と提案しました。
この後、NPO法人関東EM普及協会の若倉利勝副理事長が来賓挨拶。続いて、加藤会長講話「EMボカシネットワーク関東15年のあゆみ」、鰍dM研究所製造開発チームリーダー津曲徹さんによる講演「品質の良いEMボカシとは」が行われました。
ネットワーク関東を支える支援者・推進員制度 ところで、支援者・推進員というのは関東独特の設定で、施設・作業所の活動を支えてくれる心強い存在です。一般の受注作業が減少する中で、環境改善や生ごみ減量対策でEMボカシとEM団子を活用する自治体やNPOが増えてきて、販路や収益につながるその橋渡しに一肌脱いでくれているのが支援者や推進員です。関東のこのシステムは、EMボカシネットワークの発足理念である「福祉施設を中心にした地域づくり」を実現化していると言えます。
若倉さんは、白井市福祉作業所が「自主財源確保」をめざして、EM活性液とEM団子の製造・販売を支援。学校のプール清掃や河川浄化、EM廃油石けんづくりなども施設を拠点に推進するなど地域の中における福祉施設づくりに寄与しています。中庭さんは、市主催の生ごみ堆肥化講習会で積極的にEM生ごみ発酵肥料の活用を薦め、福祉施設がつくるEMボカシの販路を広げています。また、隣県にある福祉施設との交流を提案し、施設間同士の連携を盛り上げています。町田市ゼロ・ウェイストの主要メンバーである仲村さんは、市内窪平の地に約330坪の農園を103世帯の会員と共に開墾。かたつむりの家がEMボカシづくりに取り組むにあたって、米ヌカなど資材の調達や農協に販路の窓口を置くなどを支援、心強い存在になっています。
EMボカシネットワークhttp://www.emro.co.jp/embokashi/