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EMボカシネットワーク 障害のある人も、ない人も共に歩む

EMボカシネットワークとは、EMボカシや関連資材を製造する授産施設・作業所と、施設を支援する地域ボランティアグループなどで構成された全国ネットワークです。現在、国内各地に29支部を持ち、340の授産施設・作業所が参加しています。さらに、米国や韓国にも組織が誕生し、それぞれが特色のある活動を展開しています。

花やEM団子・EM石けんづくりで地域とつながる
社会福祉法人「ブローニュの森」―栃木県佐野市―

社会復帰への訓練は地域社会の中で

 石けんづくりはお手の物。要請があれば講師も引き受ける
石けんづくりはお手の物。要請があれば講師も引き受ける
精神に障害を持った仲間たちの多くは、地域社会の中で生活することを望んでいます。実際、精神科ソーシャルワーカーや精神保健福祉士らの中にも「病院内での復帰訓練には限度がある」との声があります。しかし現状は、施設建設さえも地域が受け入れてくれないケースが多く、「施設は地方や山村部に移動し都会に障害者がいなくなる日が来るのではないか」と憂う福祉関係者もいます。

そんな懸念を一掃するように、佐野市に本部を置く精神障害者福祉施設・社会福祉法人「ブローニュの森」では、住宅地の中に多機能型事業所(自立訓練・自立訓練宿泊型・就労継続支援・就労移行支援)や共同生活支援(グループホーム)、居宅介護事業、地域活動支援センターなどが点在していて、約200人のメンバー(福祉施設利用者)がイキイキと活動しています。

EMボランティアグループと協働

 汗を流してつくったEM土に花の苗を植え付けていく
汗を流してつくったEM土に花の苗を植え付けていく
地域活動支援センターの1つ、アークスフォースではEMボカシづくりをはじめEM廃油石けんづくりやEM培養土による花、EM団子づくりを作業に取り入れ、メンバーの給料アップにつながる収益を得ています。EM導入のきっかけをつくったのは、「EMエコの会・佐野」の内田よしえさんで、4年前から同センターの補助指導員です。

「EMエコの会・佐野」(田村秀明会長)は、平成16年に誕生して現在会員は50人です。平成12年の市清掃センター建設問題を機に、ごみ減量に立ち上がった住民の中から「EM生ごみ堆肥化をすすめる会」が発足して、その後「EMエコの会・佐野」に改名しました。毎月第4土曜日は、生ごみリサイクルの定期講習会が市内大橋町のボランティアセンターで開催されています。

 EMエコの会の海原事務局長(右端)と足利水土里探偵団の中庭さん(右から4人目)
EMエコの会の海原事務局長(右端)と足利水土里探偵団の中庭さん(右から4人目)
内田さんは、隣町足利市にあるNPO法人足利水土里探偵団の監事でもあり、豊富な情報と交友関係がアークフォースの事業展開に活かされています。「EMエコの会・佐野」と協働で始めたEM廃油石けんづくりは、足利水土里探偵団の紹介でEM環境教育が活発な足利市立葉鹿小学校へ出向き、子どもたちから教えを受けました。廃油は病院や関連施設、メンバーの家族から提供してもらいます。製品はメンバーの家族はもとより、病院の文化祭やイベントで販売されますが、「肌がすべすべになる」と好評です。メンバーのSさんとYさんは、「環境にやさしい石けんだよ」と胸を張ります。

「ブローニュの森」ブランドをめざす

 アキレス㈱工場内の浄化貯水池に2か所にEM団子投入
アキレス㈱工場内の浄化貯水池に2か所にEM団子投入
また、東京・日本橋川水域の水質浄化に取り組むNPO法人地球環境・共生ネットワークからの依頼で、平成17年から取り組んでいるEM団子づくりですが、昨年は、地元企業アキレス㈱の浄化槽対策にも導入されました。花づくりでは、日本花の会顧問の岩井節夫さんのアドバイスを受けEM土づくりから取り組みました。セル苗は小布施町フラワーセンターから購入したEM育ちで、水やりもEM希釈液を使用して1鉢1鉢大事に育てています。

収益と同時に就労意欲につながる活動への参加は、メンバーたちの言動にも変化が生まれてきたようです。「当初参加に消極的だったメンバーも、汗を流し団子や花の出来上がる過程で関心を持ち始め、さらに日本橋川やアキレスなどへのEM団子投入の参加で、物づくりから最終工程までを体験してやりがいを得られた様子に変わってきました」と内田さんは振り返り、目を細めます。地域活動支援センター長の鈴木一主さんは、「施設から飛び出した活動は、メンバーにとって良い刺激になっています。EMエコの会や足利水土里探偵団の支援があってこその活動です」と喜びます。

今後の展望を内田さんは、「作業療法としての取り組みから一歩上をめざし、製品の品質アップや販売ルートなどを研究して“ブローニュの森”ブランド化を図りたい。そしてメンバーの参加意欲の向上と法人内の各作業所との協働も検討していきたい」と話し、メンバーの自立支援に愛情を注ぎます。

掲載日:2008年3月19日

外部リンク

EMボカシネットワーク
http://www.emro.co.jp/embokashi/


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