幌延町が運営する北星園は昭和49年に知的障害者の更生施設として開園、現在90人が入所し7人が通所しています。51年から作業訓練の一環で、椎茸栽培、農耕、合鴨を中心とした食肉加工が行われてきました。
平成11年に、現在生産と販売を担当する高橋孝治さん(生産活動係長)によってEM技術が導入されました。「当時はダイオキシン問題で、合鴨屠殺時に出る産業廃棄物(生ごみ)が焼却処分できなくなったのです。EM生ごみ処理にヒントを得て導入しましたが、なにが幸いするかわかりませんね」と打ち明けます。
抗生物質を使わない合鴨は町の特産品
平成15年には、合鴨の飼育作業とEM生ごみ処理作業、有機農業の取り組みは、「有家禽複合型農業」として北星園のめざすところとなり、これを機にEM以外一切の消毒剤と抗生物質を使わない合鴨飼育を実践します。また、ハウス栽培(8棟)と畑作(220e)においてもEMを利用した無農薬・無化学肥料の有機農業へと切り替えました。
今後の計画を高橋さんは、「現在5000羽の合鴨を将来的には6000羽に増やし、有機農産物の作付け面積では畑を3fに規模拡大して循環型農業を確立することで、経営の安定を図り、利用者の雇用の安定につなぎたい」と話します。また、「EM技術のノウハウを蓄積して、町の基幹産業である酪農に活かすことで地域経済に貢献する福祉施設でありたい」とも語ります。
幌延町立北星園http://www.ansin.info/
EMボカシネットワークhttp://www.emro.co.jp/embokashi/