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EMボカシネットワーク 障害のある人も、ない人も共に歩む

EMボカシネットワークとは、EMボカシや関連資材を製造する授産施設・作業所と、施設を支援する地域ボランティアグループなどで構成された全国ネットワークです。現在、国内各地に29支部を持ち、340の授産施設・作業所が参加しています。さらに、米国や韓国にも組織が誕生し、それぞれが特色のある活動を展開しています。

合鴨飼育で有機農業を実現―通販で収益あげる
知的障害者更生施設「幌延町立北星園」―北海道幌延町―

北星園(小西均施設長)では、EM技術を導入した合鴨の飼育や、その廃棄物による土壌改良やEM生ごみ発酵肥料を活用した有機農業で施設利用者の就労をめざしています。平成16年には有機農産物の認定を取得し、合鴨肉も町の特産品「サロベツ有機合鴨」として販売されるなど着実に事業を展開。将来的には町の基幹産業である酪農にも技術を活かしたいと考えています。

幌延町が運営する北星園は昭和49年に知的障害者の更生施設として開園、現在90人が入所し7人が通所しています。51年から作業訓練の一環で、椎茸栽培、農耕、合鴨を中心とした食肉加工が行われてきました。

平成11年に、現在生産と販売を担当する高橋孝治さん(生産活動係長)によってEM技術が導入されました。「当時はダイオキシン問題で、合鴨屠殺時に出る産業廃棄物(生ごみ)が焼却処分できなくなったのです。EM生ごみ処理にヒントを得て導入しましたが、なにが幸いするかわかりませんね」と打ち明けます。

抗生物質を使わない合鴨は町の特産品
北海道の特産品として好評な「サロベツ合鴨」「サロベツ有機野菜」。ほとんどが個人通販で「合鴨鍋セット」「合鴨ハム」などが人気
北海道の特産品として好評な「サロベツ合鴨」「サロベツ有機野菜」。ほとんどが個人通販で「合鴨鍋セット」「合鴨ハム」などが人気
EMの導入によって、課題だった産業廃棄物は有機農業の土壌改良に利用され、加工場や浄化槽の悪臭も消えて「ハエがいなくなった」と関係者を喜ばせました。合鴨の飼育では、飼育場に定期的にEMを散布し、飲み水にEM活性液とEM3を、エサにEMボカシを混ぜて与えたところ、「ヒナに成長不良がなくなった」など問題点がクリアー、「食の安全が確保され、事業としても成功するのではないか」と高橋さんは関係者と共に手応えを感じたと言います。

平成15年には、合鴨の飼育作業とEM生ごみ処理作業、有機農業の取り組みは、「有家禽複合型農業」として北星園のめざすところとなり、これを機にEM以外一切の消毒剤と抗生物質を使わない合鴨飼育を実践します。また、ハウス栽培(8棟)と畑作(220e)においてもEMを利用した無農薬・無化学肥料の有機農業へと切り替えました。

北緯45度線上にある幌延町。寒冷の気候が合鴨飼育に適している。合鴨肉は不飽和脂肪酸を多く含み、生活習慣病の予防に役立つ食材として注目されている
北緯45度線上にある幌延町。寒冷の気候が合鴨飼育に適している。合鴨肉は不飽和脂肪酸を多く含み、生活習慣病の予防に役立つ食材として注目されている
このことは、それまでの作業訓練を本格的な収益事業にすることで、窓口として「安心生産農園」を設立しました。ここでは合鴨部門と農場部門に分かれ職員7人と利用者20人が飼育、栽培から加工、販売までを請け負っています。合鴨は「サロベツ有機合鴨」として今や北海道の特産品に位置づけられ、野菜は有機JAS認定取得をお墨付きとした「サロベツ有機野菜」としてインターネット販売されています。

今後の計画を高橋さんは、「現在5000羽の合鴨を将来的には6000羽に増やし、有機農産物の作付け面積では畑を3fに規模拡大して循環型農業を確立することで、経営の安定を図り、利用者の雇用の安定につなぎたい」と話します。また、「EM技術のノウハウを蓄積して、町の基幹産業である酪農に活かすことで地域経済に貢献する福祉施設でありたい」とも語ります。

ヒナを愛おしそうに見守る合鴨部門の担当者たち
ヒナを愛おしそうに見守る合鴨部門の担当者たち
福祉の現場では平成15年を機に、これまでの措置制度から支援費制度に変わり障害者は「利用者」へ、職員は「サービス提供者」に位置づけられました。それによって利用者は、「施設から地域生活」を前提に施設を出て働くことが想定されます。しかし運用段階で多くの問題を抱えている制度でもあることから、「福祉的就労の場=能力に応じて働ける場」の確保はそれぞれの施設の課題として重くのしかかっているのが現実です。それだけに北星園の取り組みは、利用者の就労だけでなく地域社会における福祉施設のあり方を視野に入れた事業展開として注目されています。
なお、2008年の北海道支部総会・交流会は北星園で開催される予定です。

掲載日:2007年8月26日

外部リンク

幌延町立北星園
http://www.ansin.info/

EMボカシネットワーク
http://www.emro.co.jp/embokashi/


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