今回も引き続きEM栽培とJAS認証を得ている理想的な農家さん「那須高原農場スノ・ハウス」(以下スノ・ハウス)の様子をお伝えします。
土づくりに欠かせないEM活性液の培養と散布
別荘地で有名な栃木県那須町には首都圏から移住してきた方がたくさんお住まいです。そうした方々の中には、無農薬で野菜づくりをしていることを自慢気に話される方もいます。声を掛けていただいた何軒かの菜園を見に行くと、虫食いが多く目立ち、「えー、せっかく丹精込めてつくられているのに、この状態の野菜で満足ですか」と言いたくなるところもあります。また、朝から晩まで虫取りに追われていますと言う方もいます。無農薬・無化学肥料栽培にEM技術を取り入れて土づくりの大切さを実感している私から見ると、やはり土づくりができていないとこうなるのだと妙に納得したりしています。
どんな野菜をつくるにしても重要なのは土づくりです。その土づくりに欠かせないのが土壌改良資材のEMだと思っています。
EM技術の重要な点は、EMの散布を欠かさないことです。
菜園の面積が少ない場合はEM・1を薄めて散布すれば良いですが、面積が広く、大量にEMが必要な場合は、EMを培養し、良質なEM活性液を作ることが大切です。
現在、私がEM活性液を仕込む際はタンクを活用していますが、以前は「百倍利器」というEMを培養する専用の機械を使っていました。当時、冬の農閑期に3ヶ月ほど機械を休ませたところ、春先になって仕込んだEM活性液の出来が良くなかったという経験があります。ツンと締まった香りがなく、匂いが気になる出来上がりでした。
スノ・ハウスには「百倍利器」が設置されていて、年間休まず稼働しているので、いつでも良質のEM活性液が活用できます。またEM散布も動力噴霧器を使い丁寧に散布しています。
高原の気候を生かしたレタス栽培
春から初夏にかけて気温が上がると野菜がとう立ちしてしまうのは、家庭菜園をしている方なら経験があるでしょう。レタスも同じで、夏の栽培はとても難しく、スノ・ハウスではハウスではなく露地で栽培しています。葉物を露地で栽培するのは雑草や虫対策など難しいことも多いと思いますが、ごらんの通り元気に育っています。
有機栽培を望むお客様に応えて
スノ・ハウスでは、レタス以外の有機栽培野菜も食べたいというお客さまからの声に応えて様々な野菜を作っています。この写真のルッコラも毎週欲しいというお客様の要望に応え、少量ずつ種まきをしています。同時に作物に添った土づくりも順を追って次々と管理していくので、毎日がミニ菜園栽培といったところでしょうか。
一度に種まきをして、一度に出荷する農家さんとは違い手間のかかる仕事です。この繊細で丁寧さが求められる作業は館野さんの奥さまが担当のようです。
トマトは野菜の中でも大人気!
サラダには欠かせないトマトですが、有機栽培でトマトをつくるのはとても難しく貴重です。スノ・ハウスでも夏場を中心にトマトをつくっています。
サラダ向き野菜のあれこれ
写真以外にも旬の野菜を数多く栽培しています。
次回はスノ・ハウスの裏側を見てみます。ところで裏側って?
お楽しみに!
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<PROFILE>
柴田和明(しばたかずあき) 会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。 柴田知子(しばたともこ) 会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。