EM柴田農園の50から畑人 | 柴田和明・知子

Part.2 第17回 柴田農園流・・EMタマネギのつくり方

EMを使うからこそできる、耕さない、マルチフィルムを使わない、EMボカシ一発勝負でタマネギづくりに挑戦しませんか。

一般的な野菜づくりの準備と手順が大きく違う!柴田流のポイント

タマネギは晩秋に苗を植えて、寒い冬を越し半年以上かけて成長します。春になると九州や四国産の新タマネギをスーパーなどで見かけます。それから産地が北上して、遅い地域では5月~6月に収穫をします。

柴田農園のタマネギづくりの準備は夏から始めます。

夏(定植の2ヶ月以上前)に準備する理由は、時間を掛けて土づくりをすれば、耕す必要がなく、また除草シートで長く覆っておくと春先に気になる雑草が生えないからです。

従って農業用のマルチフィルムも使いません。過去にはタマネギ用の穴あきマルチを使ったことがありますが、冬は北風が強くどんなに固定しても飛ばされてしまうので、マルチを使わなくても丈夫な苗に育ってくれるように土づくりに力を入れています。

EMさんが私たちの代わりに土づくりをしてくれるので、2ヶ月以上時間をかけていい仕事をしてもらいます。

苗づくり、苗選び

私は種苗会社から苗を購入しているので、ここではタマネギの種まきや育苗は省略します。

タマネギの苗は小さな長ネギのような格好です。白い部分が10㎜以下、5㎜以上の苗を選びましょう。タマネギの苗は太すぎても細すぎても良くありません。

見た目太いと良い苗に見えますが、春先にとう立ちしやすくなり、細い苗では冬の寒さに負けてしまいます。

定植の目安はいつごろ

苗選びも難しいですが、定植時期も地域によって微妙に違うので、ご近所の農家さんや種苗会社に聞くといいでしょう。

早く定植すると苗選びの時と同様に春先にとう立ちしやすくなり、遅いと寒さで越冬できません。

私の住んでいる栃木県北部では11月に入ってから定植します。

それでは写真の①から順を追って説明していきます。

写真① 準備は定植の2ヶ月以上前の8月~9月上旬までに畝の上に雑草を敷き詰めてからEMボカシをたっぷり撒きます。私はEMボカシ1型を1㎡に1Kgぐらい入れます。
写真② EM活性液(50倍希釈)を散布してから除草シートを被せます。
定植まで数回EM散布を繰り返し、土が乾かないように管理します。
写真③は2ヶ月後の定植前の状態です。畝の上に敷き詰めた雑草はほとんど土になってしまうので、定植の時に作業が楽です。
EMボカシの散布は1回だけです。年明けの追肥はしません。追肥をすると腐りやすく貯蔵性も落ちるからです。

写真④ レーキなどで畝の表面を少し平らにしてから定植します。畝間、株間は約15㎝です。
写真⑤ 冬に霜柱が立つと根が浮いてしまうので、根の周りを踏んで固めます。
定植後や冬場乾燥が続く時などは水やり(EM活性液の50倍希釈液)で乾燥から守ります。真冬は気温の上がる10時ごろがいいでしょう。
また乾燥と雑草対策のため、畝間に刈り草やワラを敷きます。

写真⑥ 収穫間近の状態です。
写真⑦ 葉が倒れてきたら収穫です。天気が良く土が乾いているときに収穫します。

写真⑧ 収穫したら雨の当らないところで乾燥させます。
写真⑨ 保存は風通しの良い軒下などに吊しておくといいでしょう。

タマネギはゆっくりと育つので、じわじわと吸収されるEMボカシのような有機肥料は糖度が上がり食味が良くなると言われています。保存が良ければ年明けでも食べられます。

お子さんがいるご家庭でしたら、カレー三兄弟のジャガイモやニンジンも育てて有機野菜のカレーをつくるのはいかがですか。


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<PROFILE>

柴田和明(しばたかずあき) 会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。 柴田知子(しばたともこ) 会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。