春になったら農機具のメンテナンス
草刈りをしようと思ったらエンジンがかからない・・・イライラ!
EM散布をしようと思ったらポンプが動かない・・・野菜たちが泣いている!
皆さんはそんな経験ありませんか?そうならないために、春になったら農機具のメンテナンスをしましょう。
若い頃の道楽が農業で役立つ・・
「50から畑人」Part1 第2回「沖縄好きだったから出会えたEM」でも触れたように沖縄好きだった私が道楽でもあるダイビングと自転車競技をきっかけにEMと出会うことができ、大げさにいうと50歳からの人生が大きく変わりました。
道楽は世(他)の役にたたないとはいわれますが、今回は若い頃のもう一つ道楽や好奇心が長い人生のどこかで生かされることもあるという話です。
私は18歳で運転免許を取得してから約20年間、自動車競技(ラリー)に夢中になった時期がありました。競技に出場するための許可証、いわゆるA級ライセンスを取得して、夜な夜な山の中を走りまわり腕を磨いていました。同時に普通の車をラリー仕様に装備をするために多くの時間を費やしました。エンジンの仕組みや電気関係などは素人でしたが、仲間に車の整備士もいたので、実際に作業をしながら見よう見まねで知識が深まっていったのです。若い頃の道楽とも言えるこの経験や知識が、のちのち農業を始めることになって農機具を扱うようになり、これほど役に立つとは思ってもいませんでした。
余談ですが、ラリーでは減速の時に右足でアクセルとブレーキ、そして左足でクラッチを同時に3つ踏むのですが、この時求められるのは、車がどのような状態なのか意識をしながらギア変速をすることです。高齢者がブレーキとアクセルを踏み間違えて事故を起こすニュースを時々耳にしますが、MT車(マニュアル・トランスミッション車)はクラッチとアクセルのタイミングを合わせながら前進していくので、急にアクセルを踏んでも急発進はしません。また、止まった状態からブレーキとアクセルを間違えても発進はしないので、高齢者になったらMT車に乗り換えることが事故を防ぐための選択肢のひとつではないでしょうか。
さて本題に移りましょう。
春には農機具の総点検をおこないます
車と同じ、農機具もエンジンで動く道具がたくさんあります。
草刈り機(刈払機)はガソリンとオイルの混合燃料を使う2サイクルエンジンが多く、冬の間長期間使ってないとエンジンがかかりづらくなります。点火プラグは一度取り外して清掃、点検しエンジンのかかりを確認します。また回転部分のグリスアップも忘れずにしておきます。
EM散布するときに使うポンプや動力噴霧器は4サイクルエンジンなので、春にオイル交換をして、ワイヤー類など一通りチェックします。また定期的にオイルの点検を忘れないようにします。
私はトラクターなど耕す機械は持っていませんが、軽トラックは常に点検をして異常がないか確認するようにしています。
万が一のトラブルにそなえ予備パーツも確保しておく
ワイヤー類や点火プラグ、そしてOリングなどの消耗品は一通り確保しておきます。また散布用の接続金具なども同様です。
整備点検には工具にもこだわる
ラリーの仲間だったトヨタの整備士は工具にもこだわっていました。ボルト締めは「スパナ」ではなく「ボックスレンチ」か「めがねレンチ」を使います。それも信頼できるメーカー品を選びます。私もその影響で、今でもできる限り「KTC」などの工具メーカーを使うようにしています。またボルトやネジに合った工具を使うのは言うまでもありません。これはハウスの組み立てや野菜の支柱などの作業でも同じことです。
農機具、特にエンジン関係は常にメンテナンスや点検をすることにより寿命は大きく違います。私たち人間の健康管理と同じかもしれませんね。
今回は、機械いじり好きの私が農業機械に触れ、使いながら会得した経験をお話しさせていただきました。専門家ではありませんので、あくまで参考としてお役立てください。
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<PROFILE>
柴田和明(しばたかずあき) 会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。 柴田知子(しばたともこ) 会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。