整流結界を張る
令和の時代に入りました。新しい時代の幕開けと共に、私たちもどんどん進化するEM技術についていかなければと必死です。昨年からは有機JASの取得と共に、比嘉先生が力を入れておられる『整流結界技術』を取り入れ始めました。3年前から始まった沖縄でのEM技術・生産者交流会に初回から参加してきましたが、お話を聞いてどうにかしてやってみたいと考えていました。2018年6月、株式会社EM生活様にご協力いただき、ようやく我が家に整流結界技術を導入しました。当日参加したボランティアさんを含む8人でトマトハウス(60m)2棟と約2反の馬鈴薯畑の一部に整流結界を張りました。
ちなみに今年はトマトハウス2棟とキャベツ、ブロッコリー、コーンなどのところに結界を張っています。
理論的には理解していても、現場でどうつくっていったらいいのか、道具はどんなものがどのくらい必要で、事前準備はどうしたらいいのか、分からないことだらけ。EM生活の方々から何度もご指導いただきながら、整流炭と海水活性液を可能な限りつくりました。
我が家は有機JAS認証を取得していたため、有機JAS認証で使える塩を探すのに一苦労しました。ネットで大容量の塩を何度も探してみましたが、化学物質を製造工程で使っていないという塩というのは珍しいのだと初めて知りました。最初に見つけたのは九州の会社。運賃だけでも塩代より高かったですが、その会社からもっと近くで同じ原料で塩をつくっている会社を紹介していただき、事なきを得ました。
葉っぱが”ぎゅん”と元気に!
2018年の夏は極端な気候で、水害の後に長雨、低温、その後に干ばつ、また低温、台風、地震と散々で、露地植えのナスが低温で8月上旬に葉っぱが枯れてしまいました。さすがにこんなことは初めてで、どれだけひどい低温だったかと思います。ほかの作物も決していい出来ではありませんでした。
そんな中、結界を張ったトマトハウスのトマトたちは実の付きも味も概ね順調で、その上粒が大きくて驚きました。海水入り活性液の力も実感しました。特に驚いたのは、海水をトマトハウスに大量投入したことです。朱鞠内から日本海まで片道75㎞の道のりを走り、4t車で3600Lの海水を汲んできて、事前につくっておいた海水活性液を加えてトマトたちの根の周りにたっぷり浸みこむように撒いたのです。効果はテキメンでした。幹が元気になり、葉っぱが”ぎゅん”と葉先を広げ、実の付きもよくなりました。整流結界、EM、塩、整流炭、海水入り活性液の効果が目に見える感じでした。
EMの新しい技術は、効果と共に課題も見つかりました。整流結界は、目に見える形でのEMバリアーなのだなという実感を持ちました。指導を受けたように、「EMを定期的に撒く」、「ハウスの四隅をEM海水活性液の線でつなぐ」という作業は、EMの密度を上げる大きな作業とのことでしたが、忙しさで手が回らないこともあり、完璧には出来なかった反省もありました。それでも何とか野菜たちの出荷も例年に負けないくらいやれたのは、整流結界の威力のおかげを実感しています。トマトの出荷量が、他の作物が厳しい中、平年作以上の出来でした。
2018年の秋の北海道胆振地震は皆さんの記憶にも残っていると思いますが、その前日は台風が直撃していました。我が家も、台風の風が強かったらハウスの天井ビニールを下ろそうと、手順やタイミングを打ちあわせ、夜中から警戒態勢でした。でも、ビニールハウスを見ていると、例年のハウスに比べてやけにガシッとしていて、びくともしていないのです。直観的に、”あ、これは簡単には壊れないな”と整流結界の効果を感じていました。不思議です。本当に強い!と思いました。案の定、ハウスは何事もなく、やれやれ無事にやり過ごせて良かったと緊張がゆるんだ直後、地震の日を迎えました。
(ちなみに地震の影響は、北海道の全電源停止のため24時間の停電、流通機関の停止により一週間出荷が出来なかったということ以外は大丈夫でした。私たちの住む場所は集落の一番隅っこにあり、もともと都市部のような上水道も下水道もありません。なので、いざという時のために出来るだけ文明の利器に頼らない生活を想定した準備は出来ていました。)
有機栽培の可能性を広げるEM技術
今年も整流結界をつくっていますが、今回は強力です。昨年よりもいくつもバージョンアップしています。整流炭と塩とEM海水活性液、それにEMセラミックスパウダー、コンクリートを混ぜたブラックコンクリート(ブラコン)を幾つもマルチの真ん中に埋めて、天井と繋いでいます。例年より気温が高いせいもあるとは思いますが、これまでになくトマトの生育が早いんです。なんと、トマトの手入れが全然間に合わない、というおまけつき。ようやく一通り手入れが終わったところですが、例年より3週間くらい早い勢いなのです。これには本当にびっくりです。
キャベツ、白菜は、雨が少なく、葉っぱが地面に張り付いているような様子だったのですが、結界の紐を繋いだ途端、グンと葉先を持ち上げたのです。ぐんぐん持ち上げて、見ている私たちはびっくり仰天しました。
私たちとしては、毎年毎年EM整流結界の技術はすごい勢いで進化しているので、片時も目を離せません。何とかついていかなければと、北海道の山奥から3度も沖縄へ出向いた価値も充分あると思っています。夏がどこよりも短い朱鞠内ですから、今もめちゃくちゃ忙しいのですが、それでも整流結界、EM栽培は有機JASにも必要不可欠、いえ、EM技術があればこその有機栽培に我が家はなっています。
次回は整流結界技術を導入したことで、私たちが現場で体感した”ミラクル”現象を報告したいと思っています。
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みやはら・みつえ/ 北海道川上郡標茶町出身。学生時代写真部に所属。写真スタジオのアシスタントを経てフリーランスに。日本人女性唯一の大型野生動物の写真家としてアラスカの自然と野生動物をライフワークに取材を続けていた際、現在の夫と出会い、結婚。冬季のアラスカネイティブ社会で生活した経験を持つ。 狩猟採集の生活をベースに自然と共に暮らす生き方の実践のため現在の朱鞠内に1997年新規就農。現在耕作面積約60ha、そのうち約3haでEMを使った無農薬無化学肥料栽培で数十種類の野菜の栽培も行っている。
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