連載

Part.2 第9回 究極の食品<具体的食改善その⑧>

究極の食品
生命の本質を整える栄養素をどのように摂取するの

食べ物を、主に身体の材料になるもの、体の調子を整えるもの、活動エネルギーになるものの3つに分けて、赤、緑、黄のグループで表す教え方がありますが、本来食べ物はすべて生命体ですから、本当はどの食材にも赤や緑や黄が含まれているのに、それを便宜上分けていたわけです。そこで、食品ではなく食品に含まれる栄養素を赤緑黄に分けてみたのが下の図です。

現代人の食生活は、黄と赤に関わる栄養素はよくとれているのに、実は生命の本質(免疫力、抗酸化力、精神力など)にかかわる一番大事な栄養成分がほとんどとれていない人が大多数なのです。その恐ろしいまでの実態をいつか詳しく書きたいのですが、これが心や体の病気や凶悪犯罪の根底原因だと思っています。

これまでの連載で、いのちの成分をとることとおなかを発酵環境にすることをお伝えしてきたわけですが、それは上図の緑の部分のことなんです。だから、連載第1回に書いたように、この食生活を実践すると現代人に極端に不足している緑の部分を埋めることになり、劇的な効果が表れる人が多いのは当然のことと言えます。

生命力食品の代表は味噌汁!

ひとつの料理だけで、この緑の部分をすべて補って余りあるすばらしい料理があります。それは何でしょうか?どんな忙しい場合でも、というより忙しい時こそ栄養を消費するので、店屋物に頼りすぎずに是非これだけは自分でつくって欲しい一品です。それが、煮干し入りの、箸が立つくらいの野菜たっぷり味噌汁です。煮干し入りの、箸が立つくらいの野菜たっぷり味噌汁です。

生野菜は、いくらしっかり噛んでもひとつ1つの小さな細胞は全部はつぶれないので、その分栄養素の吸収率は低下してしまいます。煮ると細胞内部が膨張することにより、大部分の細胞の細胞壁が壊れて中身が飛び出すので、生で食べるときに比べて吸収率は10倍から100倍に高まります。でもそれは煮汁ごと食べた場合であって、煮物、和え物は煮汁をかなり捨ててしまうことが多いので大変もったいない。その点、味噌汁なら煮汁ごと全部いただけるし、味噌は発酵食品だし、味噌の原料は大豆なのでご飯と一緒に食べると必須アミノ酸のバランスが整うし、ダシに煮干しを使えば海からの微量ミネラルまで摂取できます。まさに究極の生命力食品です。野菜嫌いな子がいたら、その野菜をよけて食べても、野菜の大切な栄養素は煮汁に溶けているから大丈夫!どんなに忙しい家庭でも、心と体を正常に保つよう、味噌汁だけは朝か夕飯につくってくださいね。読者の皆さま、周りの家庭にも教えてあげてください。

これなら簡単!美味しい味噌汁のつくり方!

  1. 肉厚の昆布を買い、白い粉を落とさずにそのまま適当にカットして保存しておきます。
  2. 寝る前に、鍋の水に大きめの煮干し(頭つき)とカット昆布を入れます。
  3. 朝、コンロに②の鍋を載せ火をつけ、味噌を3割程度と旬の野菜を皮や芯もできるだけとらずに適当に切って入れます。
  4. 沸騰し、野菜が柔らかくなったら、すぐ煮える葉野菜を入れます。
  5. 最後に残りの味噌を入れたら、すぐ火を止めます。アッという間に味噌汁の完成です。
  6. 煮干しや味噌を漉した残りも捨てないでください。

これなら簡単!美味しい味噌汁のつくり方!

【吉田さんの講演・イベント予定はこちらから】
https://kinchan.ocnk.net/page/3