新・夢に生きる | 比嘉照夫

第199回 インドにおけるEM試験(バナナ、トマト、ザクロ)

青空宮殿の進化のまとめとして、第198回では塩の肥料化によるバナナ栽培を紹介しましたので、今回から話題を変えたいと思います。

インドは、EMによってシッキム州全州の有機農業化に成功し、環境に配慮した持続可能なフードシステムを促進する最も優秀な政策を行ったとして、2018年10月、国際連合食糧農業機関(FAO)の最優秀政策賞にも選ばれ、モディ首相もこの技術を全国に広げるべきであることを強調しました。

このような背景からインドでは、農業はもとより水質浄化などをはじめとする環境対策にもEMが広く使われるようになっており、研究機関でも積極的にEMの活用に取り組んでいます。

以下に紹介するインドの農業科学センターの成果は、EMのナショナルプロジェクトを後押しする公の科学的証明とも言えるものです。

EM試験:バナナ、トマト、ザクロへの影響の評価 / インド
試験概要

インドの農業科学センター、Krishi Vigyan Kendra (KVK) Baramati は、EM (有用微生物群) 技術を活用してバナナ、トマト、ザクロの試験栽培を実施しました。他の試験区と比較した 結果をご紹介します。

試験結果

・EM技術がバナナ作物の成長と収穫量に与える影響
バナナの高さと房の重量が大幅に増加し、シガトカ病や果実腐敗病などの一般的な病気が大幅に減少しました。 収量は、対照区よりも1エーカーあたり5.7トン高くなりました。


・EM技術がトマト作物の成長と収量に与える影響
EM処理区では、細菌斑点病、萎凋病、フザリウムなどの病気に対する抵抗力だけでなく、開花、結実の改善も示しました。 収量は、対照区よりも1エーカーあたり1.75トン高くなりました。

・EM技術のザクロへの効果
試験の結果、表1より油斑病の平均感染率は、処理区「T5」で12.79%であり、すべての処理区の中で最も抑制されたことがわかりました。

表1:油斑病の感染率

表2より処理区「T5」の純収益は1ヘクタールあたり541,057ルピーと最も高い結果となりました。

表2:EM技術がザクロの収穫量に与える影響

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EM活用事例 │ EM研究機構https://www.emro.co.jp/case/detail/184より引用>


<PROFILE>
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、<公財>自然農法国際研究開発センター評議員、<公財>日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長<平成3年~平成28年>。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」<サンマーク出版>、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」<綜合ユニコム>、「微生物の農業利用と環境保全」<農文協>、「愛と微生物のすべて」<ヒカルランド>、「シントロピーの法則」<地球環境共生ネットワーク>など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」<文芸アカデミー>を上梓。2022年、春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章。