新・夢に生きる | 比嘉照夫

第197回 着々と進化する青空宮殿のEM 自然農法(7)

バナナの大ジャングル、グァバやレンブ、アセロラ、ピタンガ、カリッサ、ユーカリフトモモなどの防風林も兼ねた果物たちが囲い込んでいる青空宮殿では、EMの応用を着々と深める限界突破に取り組んでいます。

青空宮殿はもともと建築廃材の投棄場で、スコップに体重を乗せても掘れない固い土、何を作ってもうまく育たなかった土でしたが徐々にEM化し、今では、極めて波動の高い良質な美味しいバナナが沢山とれるようになりました。

青空宮殿の目指すところは、「EM技術による生産空間の最大値の追求」です。園地からでる有機物を循環させ、EMの密度を高める方法でスタートしましたが、当初は忙しく手の回らない状態が長く続き、見学者には半分言い訳的な説明をしていました。

しかし、2020年初旬からのコロナパンデミックのお陰で状況が一変し、講演や会議の大半がzoomになり、毎週あった出張も年に1~2回に減り、時間的な余裕が出来ましたので、以後生産空間の究極にチャレンジしています。

そのためには、EM技術の集約と、生産の場にノルマを課す必要があると考え、EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート沖縄に定期的に波動の高い生産物を出荷することを課題としています。
現在のところ、バナナは週に10キロ以上、雲南百薬1キロ、長命草は2週に1回1キロはノルマとして納めることになっており、その他は、近隣に配ったり、自給自足的に活用しています。

要は、環境全体のEMの密度を高め、結界を強化することです。EM讃詞を朝夕に唱えると同時に、高波動のEMグラビトロン炭を使用することで、塩の波動も高まります。これに有機物を混ぜ合わせ、肥料として使うことがポイントであると考えています。

岩手コンポスト株式会社のペレット型のコスモグリーンは、前回紹介したように、EMの万能性を具備しています。作付を予定している場所に有機物を敷いて、その上にEMグラビトロン炭を10a当たり50Kg、コスモグリーンを10a当たり50Kg、EM海水活性液を10a当たり200リットル施用すると、たちまちにして肥沃な土壌に変身します。

今年の7月の気温は平年よりも1.5℃も高く、この高温を乗り切るため、モロヘイヤ、オクラ、ミヤコアズキ、サツマイモを植え付けています。この高温期を十分に活用した後の10月には、昨年採種したジャガイモのウイルスフリー確認のテストに入ります。

コスモグリーンを上手に使うことによって、連続栽培が容易となり、次々と楽しみが増えています。

<写真1>

<写真1>は花壇とモロヘイヤ、刈り取り前のイネです。

<写真2>

<写真2>は刈り取った穂を乾燥しています。水田は1日1~2回通水し、10日に1回EMボカシを10a当たり50Kg追肥し、新しい株を発生させています。

<写真3>

<写真3>は長身のオクラで、これから巨木になります。

<写真4>

<写真4>は、超抗酸化力があるミヤコアズキです。

<写真5>

<写真5>のように、ミヤコアズキは常に鉢上げした苗を作り、空いた場所に次々と植えて行きます。

<写真6>

ミヤコアズキは摘心を繰り返し、開花結実を中心部に発生させると何回も収穫を繰り返すことができます<写真6>。

<写真7>

<写真7>はサツマイモです。15㎝くらいの密植にし、摘心を繰り返しています。新芽は野菜として利用しています。

<写真8>

<写真8>はコンクリート屋上の有効活用と断熱を兼ねたパインアップル栽培を3階事務所の西日の強いベランダで始めました。定植2週間後ですが、予想外の成長を示しています。大苗(吸芽)を使っていますので、来年の夏には収穫できます。

 

【ウイルスフリー地域となった琉球列島の宮古島のパパイア】
<提供:沖縄タイムス 2024年8月5日>

<PROFILE>
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、<公財>自然農法国際研究開発センター評議員、<公財>日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長<平成3年~平成28年>。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」<サンマーク出版>、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」<綜合ユニコム>、「微生物の農業利用と環境保全」<農文協>、「愛と微生物のすべて」<ヒカルランド>、「シントロピーの法則」<地球環境共生ネットワーク>など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」<文芸アカデミー>を上梓。2022年、春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章。