前回はトマトからキュウリへの連続栽培が順調に進んでいることを紹介し、収穫量も急激に増大してきました<写真1>。このままいけば、孫ヅルで更に新しい限界突破が期待されましたが、5月20日から梅雨に入り、6月3日まで畝がすっぽりと水浸し状となり、縁に植えていたシュンギクも枯死状態になってしまいました<写真2>。
このような梅雨が続くと、これまでの経験では、根腐れや立ち枯れやベト病が多発し、回復は不可能となっていましたが、根の回りに、30~40gのEMグラビトロン炭の追加処理で健全に育っています。
しかし、果実は、水膨れで成長が止まり、胴割れしたりして収穫が極端に少なくなってしまいました。咲いていた雌花は、次々と緑の栄養体に変わり<写真3、4>、新しい収穫が全くなくなってしまいました。梅雨の中休みが数日続いたため樹勢は回復し、孫ヅルが多数発生してきました<写真5>。
キュウリの間に植えられたゴーヤーも順調に成長し、奥の棚に広がりポツポツと結実し始めています<写真6>。
今回の成果は、EMグラビトロン炭の活用と、EMの多用を続けると、露地の長期にわたる水浸状態でも完璧な水耕栽培と変わらないレベルで病気が全く発生しなくなったということです。
この方法を続ければ、テラプレタをはるかに上まわる土作りが出来るようになり、年々の重ね効果的改善が可能となります。すなわち、不耕起で根の回りに意識的に少量のEMグラビトロン炭を施用し続ければ、万能栽培床ができるということになります。
過剰な梅雨は、露地の果菜類には壊滅的な被害を与えますが、排水を意識しながら結界を強化し、畑全体を高波動化するように管理すれば、作物の生育はもとより、土壌の深部の微生物相の改善や物理性や化学性の改善も容易化し得る力に変えることができるようになります。
このような雨の多い梅雨でも、バナナにとっては限界突破的改良のチャンスです。昨年の8月末の大雨の台風後に、10a当たり2KgのEMグラビトロン炭と50Kgの塩を混和し、全園に散布しました。その後、25Kgの塩にEMグラビトロン炭を1Kg混和し、3ヶ月に1回施用しています。
4月からの雨と5月の梅雨の雨で、バナナ畑は大ジャングルとなり、これまで見たことがないジャンボなバナナが実るようになってきました<写真7、8>。
通常の3倍くらい密植になっていますが、塩と炭を上手に使えば、これまでの常識を覆す限界突破も期待できそうです<写真9>。
昨年は6月に第1回目の台風が来て、8月末には5日間も最大風速が40m以上の風と2000㎜の大雨の台風に遭ってしまい、不本意な年になってしまいました。ただ、8月末の強烈な台風対策のため、沖縄の結界波動のレベルを10から100に引き上げましたので(EMスペースメイトをレベル1とする)、大難が小難に変わりました。今後の台風にどのような影響があるのか、楽しみにしています。
万能コンポストペレットを完成させた岩手コンポスト
農林水産省<東北農政局>の国内肥料資源活用総合支援事業として、総事業費3億4700万の内、1億5千万円の補助を受けた岩手コンポストのペレット工場が5月21日に操業を開始しました。(詳細:「新堀工場操業視察レポート」http://iwate-compost.co.jp/news/news20240604.html)
このペレットには、EMグラビトロン炭も添加されており、EMボカシと同等の発酵力を持っています。従って、EMボカシの活用分野すべて、結界用材料としても活用できます。
これまで規模の大きな農家ではEMボカシ作りに難がありましたが、今回完成したEMコンポストペレットは安価で、多面的な応用が可能となる朗報です。
永久不耕起床等々、安全、快適、低コスト、高品質の農業を善循環的に変えられる資材であり、EMの重ね効果的併用で農業の姿を一変させる可能性を持っています<写真10~14>。
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、<公財>自然農法国際研究開発センター評議員、<公財>日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長<平成3年~平成28年>。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」<サンマーク出版>、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」<綜合ユニコム>、「微生物の農業利用と環境保全」<農文協>、「愛と微生物のすべて」<ヒカルランド>、「シントロピーの法則」<地球環境共生ネットワーク>など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」<文芸アカデミー>を上梓。2022年、春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章。