EMの量子力学的性質を炭に賦加し、土中や空間のエネルギーを効率的に生産力につなげることを目的にEMグラビトロン炭が開発されました。自前でEMグラビトロン炭を作る場合は、整流シールをセットした無煙炭化器を用いて炭を焼き、消火の際に5~10倍の水で薄めた海水EM活性液を散布する方法で行います。(<特集>整流と結界「無煙炭化器を利用した整流炭のつくり方」参照)
この方法に加え、岩手コンポストで作られた高波動のEMグラビトロン炭を0.1%くらい加えたり、前に焼いた炭を1%くらい加えたりするとEMの重ね効果が増強され、更に良質なEMグラビトロン炭を作ることができます。
この炭は環境のエネルギーを整流する力があるため、気象の変動にも抜群の効果があり、この数年の北海道での異常気象(干ばつ、大雨)にも十分対応できています。整流結界的に活用すれば、テラプレタ土壌も簡単に作ることも可能です。(参考:Uネット通信 Vol.129 12-13ページ「農村・都市ぐるぐるエコの会」U-net 理事 石川文雄 https://www.unet.or.jp/asset/00032/u_net/PDF/129.pdf)
以下の報告は広島県の例ですが、EM活性液を上手に併用し、結界を強化すれば更なる効果が期待できます。
比嘉先生随分ご無沙汰しております。広島の池田です。
以前広島のフォーラムで、「池田さん、EMの炭を作らないかね。」と言われていて、やっと昨年から無煙炭化器で竹炭とブドウ枝で作りはじめました。昨年の500㎏は、家前のブドウ園30aに表面散布してみました。平均年齢70歳の女性4人で育てていますが、今年のバカ暑い夏でも、ブドウ棚の中は快適で、細かい作業を続けることが出来ました。炭は急激な温度上昇を吸収して水素としてため込み、気温が下がると、放出して水分になっているように想われます。園内がいつもしっとりしている様です。
ブドウの収穫は完全に時期外れとなり、10月から11月20日頃まで木にならしての出荷となっています。他産地は冷蔵物しかないので、並べれば一目瞭然で分かります。12月いっぱいは保存できます。食べてみてください。
神石高原町が3年前からみどり戦略に取り組み、有機農家に炭を入れることになりましたので、今年は2t炭を作ります。クルベジ協会にも入会して、J-クレジットを取得予定です。急激な温度上場温暖化への対応として実証試験を行う事ができると思います。
先生におかれましてもご自愛を頂き、お元気でいてください。
広島県神石郡神石高原町
池田博信
中國開発 池田氏からの報告
毎年7月末に袋掛けして、10月から11月末まで時期外れの収穫をしています。2ⅿ毎にEMペットボトルを配置し、地中には1m毎にEM団子を埋め込み、この園を囲っています。鳥獣害は昨年はゼロ、今年は排水工から侵入したアナグマに少し食べられました。鳥の侵入はありませんでした。園の周辺は、イノシシ、シカ等うようよ出没して被害を出していますが、中にはまだ入っていません。
10月後半から11月後半まで神石高原町の道の駅に大量出荷しています。これを目当てにお客様が訪れ、瞬く間に売れて行きます。この時期になると他所では保存された物が出ますので鮮度にびっくりされます。
11月末までブドウが成っている実物を確認に多くの人が訪ねてきます。10月末日から霜が降り始めて、既に落葉していますが、シャインマスカットは青いまま。現場には、広島の有名なパティシエ様などが見学にみえて、次の商品開発のイメージづくりをされたりします。
昨年からEM炭を作り、収穫後に表面散布しました。今年の夏は高原の地でも猛暑でしたが、ブドウ棚の中は、シットリと気持ち良く、4人(平均70歳弱)の女性栽培者で乗り切ってもらえました。EM炭の表面散布は、急激な温度上昇を緩和する効果があるように思えます。
昨年は竹炭だけでしたが、今年は30aのブドウ園の枝で500㎏のEM炭が作れました。
1年生の枝は空洞が広く、竹炭とはまた違う使い道があるように思えます。
ブドウの遅生栽培が5年目となり、ほぼ間違いない技術になったと思っています。生産者にとっては、暑い時期を避け涼しくなってからユックリ時間を掛けて出荷できるのは、体力的にも随分助かっています。
ひが・てるお / 1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年~平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年、春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章。