沖縄が日本に復帰して50年。その復帰の年に建てられたホテルヒルトンが紆余曲折ののちにEM技術で「コスタビスタ沖縄」と装いをかえて16年目となる。EMが体感できるホテルとしてEM愛用者のみならず、修学旅行生はじめ内外の旅行客に愛されていたが、コロナ禍で一転。EMの原点に徹底的に戻ることでポストコロナ時代のホテルとして再出発を期す。
昨年の秋に改称したホテルの名前は、「EMウェルネス暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」。少々長いホテル名は、地元のタクシードライバー泣かせだが、略称「発酵ホテル」といえば、若い世代にはピンとくる名称だ。コンセプトは疲れない旅、疲れないホテル。食から館内環境までEMを徹底的に使い、その心地よさを暮らしに持って帰ってもらいたいというもの。ことに白砂糖、精製塩を使用せず、きび糖とみりん、自家製調味料を使用した朝食発酵メニューは圧巻。さらに食物繊維豊富な沖縄産の海産物、EM野菜、豆類など腸内細菌がよろこぶ料理が並ぶ。しかも、その半分がヴィーガンメニューで多様な食生活に対応している。この朝食やランチは地元の人に好評で連日家族連れで混み合っているという。時代のニーズにぴったりなのだろう。
開業以来、掃除や洗濯にはEM活性液が使われていたが、改称を機にこちらも徹底。滅菌、抗菌の弊害に気がついた人にとっては化学物質フリー、善玉菌を環境に増やすEM使用は「合点」というところだろう。もちろん、スパにはEMシャボン玉石鹸が常備され、EMてぃだの塩とEM・X GOLDが入っている水も補給できる。EMを知っている人もはじめてここで出会った人も、自然な食、自然な感触、自然な香り、自然な色彩に同化していくようだ。
そんな中、5月のはじめ「EMいっぱいの旅をしよう」と名打ったEMユーザー限定ツアーが行われた。このイベントは、EMを広く世に出した白鳥哲監督作品の「蘇生」「蘇生Ⅱ」の上映とEM親善大使の野本千鶴子さんのお話し会、加えてこの春に瑞宝中綬章された比嘉照夫教授の講演、さらに醤油づくりのワークショップもあるという魅力的なプログラムだったため、募集する前から問い合わせが殺到したという。
コロナで外出がままならい中、LINEやZOOMといったWEBツールを駆使して新しい世代のEM愛用者を増やす野本さん。その活動報告を興味深く聞き、「100兆個の腸内細菌の微生物叢が免疫力に深く関わるため、多様な発酵食品を摂取することが重要だ」ということがよく理解できた。そうした野本さんからの学びを得た上で、抗酸化力の高いオーガニック野菜を自分で育てたいと、EM農法を学ぶ人たちが増えているそうだ。
また、オーガニック給食をすすめる前島由美さんや、ミネラルたっぷりの菌ちゃん野菜作りで知られる吉田俊道さんらの活動と野本さんの活動がクロスすることで、EMへの関心は飛躍的に伸びている。コロナ禍のため直接現地を訪れる形でのお話会ができない状況下において、情報を発信する方法をネット配信に切り替え、大きな成果をあげていることに野本さんご自身も驚いている。「比嘉セオリーの生活化と普遍化を若い人たちと進めていきたい。目標はリアルな比嘉EM総合大学校」と語る野本さん。このツアーにより、SNS上でしか知らなかった人たちが全国からEMの発祥地で出会う。なんとも新鮮なシーンだった。
EMの開発者である比嘉照夫教授も、2年ぶりの講演会となった。
「メタゲノム分析法により、人間の健康だけではなく、自然の健康度はすべて微生物叢(マイクロバイオーム)の水準で決まり、種類の多い善玉菌、その密度が高いとすべてが健全になる。実用技術はEMしかない」という確信から始まり、「EMの整流力を強化していくとEMの重力子が超伝導的に機能する。すべての存在は量子状態から始まり、コヒーレント(量子うなり)とエンタルグルメント(量子もつれ)は量子力学の基本。EMの整流力を強化するとEMの重力子が超伝導的に機能する。その応用は放射能の消滅、医療健康、災害、鳥獣対策 検証可能な再現性のあるものになっている。」
「自然力の根幹はマイクロバイオーム(微生物叢)田畑の自然力を強化すると土は柔らくなり、窒素固定菌やリン溶解菌などの合成能力の高い微生物叢が形成されると表土は流出せずミミズなどの増え耕起は不要となる。その上、病害虫は発生せず連作も可能」だとして、整流されたエネルギーを流す塩を含む海水EM活性液と整流されたエネルギーを蓄積、増幅する炭を用いたEMグラビトン(重力子)農法を紹介した。その理論の全貌は著書「微生物の農業利用と環境保全」(農文協1991現在電子化)を読んで欲しいと結んだ。
比嘉教授の講義に熱心に耳を傾けていた参加者の一人は、「重力子理論に関心があります。初めて比嘉教授のお話を直に聞いて微生物と重力子が結びつきました」と納得した様子だった。
最後のお楽しみは、「しょうゆ作りワークショップ」だ。講師は発酵ライフ推進協会沖縄校の相良あゆみ校長。そもそも発酵とは、から始まり、発酵系微生物「カビ」「酵母」「細菌」の説明。カビの1種の「麹菌」の学習などたっぷりの座学とEM・XGOLDとEMてぃだの塩を使った「発酵ホテル」ならではの「しょうゆ」作りが行われた。1年間の発酵期間を経て自分だけの「お醤油」ができる。
食べて学んで作った旅。このツアーは好評につき9月にも行われる。沖縄「発酵ホテル」を舞台にEMをツールにしてどのような出会いがあるか楽しみだ。
(文責:小野田)