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サステイナブルに暮らしたい ―地球とつながる自由な生き方

土を育てる』や『ゼロ・ウェイスト・ホーム』など、農業や環境関係の翻訳を手掛けている服部雄一郎さん。服部家のシンプルで心地よい暮らしのヒント集だが、なによりも服部さんが神奈川県葉山町役場のごみ担当職員として、ゼロ・ウェイスト政策に携わっていたことが興味を引く。

「なぜ僕が〝ごみゼロ〟の本を訳すことになったのかと言うと、それは僕が〝ごみの人〟だからです」と告白している。葉山町では、生ごみからプラごみまで、ありとあらゆるごみの減量対策を担当。ついに「ゼロ・ウェイスト」に魅入られて、アメリカや南インドで働く。後に高知の田舎に移住し、人々にごみの分別を教えるより、自分で実践してみる、正真正銘の「ごみの人」となる。当時のごみ問題に揺れた日本で、「ごみ」で人生を変えた人がいたというのは驚きだ。平成は「ごみの時代」と区切っていいかもしれない。

従って、この本は服部さんとパートナーの麻子さん、子供たち3人の「ゼロ・ウェイスト」実践なのだが、持続可能とか共生とか小難しい理論ではなく、家族がそれぞれ気持ちよく暮らしていることが素直に伝わってくる。ごみの人がごみを通して地球とつながると自由な生き方ができる。地球とつながるとは、自然とつながるといいかえればよい。自然とつながれば自由に生きられるのだ。この家族の暮らしを同時進行で見ている人たちに共感を呼ぶのは当然のことだろう。

無論、ふたりは生ごみだけではなくなんでも土に戻す。土に戻らないものは買わない。こうしたサスティナブルな生活にEMが加わるとより地球とつながることが意識できる。微生物が喜ぶ生活に乾杯したい。

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  サステイナブルに暮らしたい   https://sustainably.jp/

(文責:小野田)


サステイナブルに暮らしたい ―地球とつながる自由な生き方―
服部雄一郎 (著), 服部麻子 (著)

出版社 ‏ : アノニマ・スタジオ (2021/12/2)
発売日 ‏ : ‎ 2021/12/2
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 232ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4877588272
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4877588274
定価 ‏ : ‎ 1760円(本体価格1600円)

【目次】

はじめに
サステイナブルに暮らす10のトピックス
家族年表
1章 食のこと
2章 台所まわり
3章 家事も循環
4章 買う・持つ・もらう
5章 お菓子とお茶とギフト
6章 なりわい ―仕事とお金―
7章 体と心と身だしなみ
8章 子育て
9章 暮らしと社会を考える
おわりに

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