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ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?   堤未果 著

地球温暖化の原因の一つとして牛のゲップがいわれて久しいが、いよいよ牛肉ではなく大豆をつかった「人工肉バーガー」が市場に出回ってきた。つまりもう牛の飼育は終わりにして大豆を使いましょうという話なのだが、ちょっと待って、本当に牛が悪いの?その大豆は遺伝子組み換えよね?本当に大丈夫?という疑問から始まったルポルタージュだ。

ことにグローバル資本家の悪だくみともいえるふるまいに警告を出してきた著者が、食を巧妙に支配下におくアグリビジネスに切り込んだ話題作だが、その対処法として「国力」」は「土力」と断言していることは注目に値する。稲作の不耕起栽培を実践した稲葉光圀さん、木村式自然栽培のシャリで大成功する回転ずし経営者の高橋啓一さん、そして土壌微生物に重点をおいた菌ちゃん農法を普及する吉田俊道さんなどを紹介。こうした実践者たちの活躍と「給食に有機農産物を」というお母さんたちの運動の高まりが起爆剤になって、世界的な食の崩壊の防波堤になるというのが著者の考えだ。
ぜひ、食に関心のある方に読んでいただきたい。


ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか? (文春新書)
堤未果 著

出版社 : 文藝春秋 (2022/12/16)
発売日 : 2022/12/16
言語 : 日本語
単行本 : 320ページ
ISBN-10 : 4166613855

【目次】
第1章 「人工肉」は地球を救う?―気候変動時代の新市場
第2章 フードテックの新潮流―ゲノム編集から食べるワクチンまで
第3章 土地を奪われる農民たち―食のマネーゲーム2.0
第4章 気候変動の語られない犯人―“悪魔化”された牛たち
第5章 デジタル農業計画の裏―忍び寄る植民地支配
第6章 日本の食の未来を切り拓け―型破りな猛者たち
第7章 世界はまだまだ養える―次なる食の文明へ

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