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宮崎県の口蹄疫対策に協力いただいたEMボランティアに対する御礼

猛威をふるった宮崎県の口蹄疫は他県に広がることなく、7月末に非常事態宣言の全面解除となりました。また、8月末には再興に向けての県の総決起大会が行われ、畜産農家の新しいチャレンジが始まっています。

本シリーズの第36回(6月1日)「EMによる口蹄疫対策について」で、私は、EMで十分に対応できると断言し、その具体的な方法について提示しました。この提案の第一報は、5月中旬えびの市の「えびのEM研究会」宛に出されました。同時に私は会長の松窪さんに電話をして、「EMを使っている農家は絶対に大丈夫です。EMを使っている農家を核に、1軒でも多くEMを使うようにすすめてください。そうすれば、EMによる感染防止帯ができるので、拡大を防ぐことが可能なのです。安心して取り組んでください」という旨をお伝えしました。

この時点で、EMを使っている畜産農家は20軒ぐらいあり、その後、かなりの農家がEMを使い始めていたのです。えびの市の場合、発生地点から3km以内に150軒の畜産農家があり、畜舎と畜舎の距離は大半が1km内外、離れている所でも1.5kmという状況となっています。口蹄疫の感染至近距離である3kmを考えると、この過密状態での感染拡大防止は常識的には極めて困難ということになります。

えびの市で、最初の感染が確認されたのが4月28日で、5月13日までに4か所に広がり、牛352頭、豚320頭が感染し、パニック状態となっていました。私が対応したのが5月15日です。このような状況にあるにもかかわらず、私はなぜ、「絶対に大丈夫」という発言をしたのか、ということです。

EM関係者の間では広く知れ渡っているように、EMは結界をつくる性質があります。畑の4隅に、EMセラミックスやEM1号の活性液をペットボトルに入れてつり下げておくと、カラスはまったく来なくなり、ヒヨドリ等もほとんど侵入しなくなります。同時に、その内側にある作物がいつの間にか安定的に生育するようになります。もちろん、4隅だけでなく、畑を囲むように4〜5m間隔につり下げるとさらに効果的です。

畜産農家でEMを使い悪臭が外部に広がらなくなると、かって悪臭が感じられた範囲にEMのバリア(防護帯)が形成され、その中には口蹄疫のウイルスをはじめ鳥インフルエンザなどの有害な微生物の侵入をくい止める場が形成されます。EMを使っている農家は絶対に大丈夫と発言したのは、そのためです。

私は、松窪さんに電話でえびの市の畜産農家のEM活用件数と各々の分布状況を確認した時点で、えびの市全域にEMによる結界ができていることを感知し、これで、えびの市は大丈夫であるという結論を出しました。

私は、このような背景から「えびの市は、これ以上感染が広がることがなく絶対に大丈夫です。しばらく状況を見て欲しい」旨を、口蹄疫の対策本部長の山田正彦農水副大臣(当時)に直接電話でお伝えしました。えびの市は、その後、感染が拡大しなかったので別途対応ということになり、一足先に清浄化宣言がなされました。

農林水産大臣から感謝状

山田対策本部長は、その後、えびの市を訪れ、松窪さんたちの「えびのEM研究会」のボランティア活動も確認し、「比嘉先生の言われていることは十分に理解できたが、これを役所の専門家に理解させるのは、極めて困難」と言うコメントをいただきました。

EMによる感染防止帯はニオイが広がる3〜4倍、かなり厳しく見ても500〜1000mに及びます。したがって、EMを使っている畜舎と畜舎の間が最大2000mくらいあっても、時間の経過とともに結界ができることになります。この結界は地域全体に好影響を与えますので、多聞に今度の口蹄疫騒動でえびの市は新しく生まれ変わり、市民全体が協力的になっていると思います。

同時に、私は山田本部長に大量に埋却した場合の2次汚染対策や感染拡大防止策、埋却法の簡略化について、EMの活用を提案しました。「確かに比嘉先生の言われる通りですが、役所の方針と予算はすでに決まっており、新たに予算化するのは困難です。ボランティアで協力いただけるのであればお願いしたい」ということになりました。5月25日のことです。

私は5月26日、EM研究機構の関係者にその旨を説明し、27日の夕方に持っていけるだけのEMを持たせてEMボランティアの第一陣を宮崎に派遣し、5月29日には新富町の埋却現場で第1回目のEMを散布させました。4日後の6月2日に、私は、町長や副町長にEM活用の説明を行った後に、町の関係者とともに現場の検証を行いました。

近隣から苦情のあった悪臭は消え、噴火のごとく吹き出ていた血液などの体液やガスの発生も止まり、ハエもほとんど見当たらず、重機のオペレーターもマスクを外して埋却作業を行っていました。その成果を踏まえ、新富町の文化センターの駐車場の角で消火栓のあった場所に、1日10トンのEM活性液がつくれるようにタンクを設置し、6月4日から本格的な対応ができるようにしました。

資材の提供は、EM研究所に協力いただき、EM生活社にも資材や要員の派遣協力、その他、宮崎県のEMネットをはじめとする多くのEMボランティアの協力も得られ、万全を期すことができました。これらの一連の動きをすべて対策本部に報告し、これまでの埋却の方法をEMでより効率化する方法や感染拡大防止に「えびの方式」を提案しました。それに対し、「国の方針や予算は決まっているため、すぐの変更は困難ですが、ボランティアならいいです」ということになりました。

対策本部の了解が得られましたので、その後に口蹄疫が飛火した地域に対しては、EMネットの白川さんにお願いして「えびの方式」を実行してもらいました。地元に不案内なEM関係者にとって、白川さんたちの協力は別格のものとなりました。

その後、新富町の埋却については、処分頭数があまりにも多くなり過ぎたことと、EMの実績が明確に現れたことから、後半は、私が提案した簡略法が実行され、自衛隊にも積極的な協力をいただきました。この簡略法は従来法の2倍以上の処理が可能であり、その後の2次汚染がまったく発生しないことも明らかとなりました。

その後、宮崎の口蹄疫は、またたく間にしぼんでしまいました。消毒を徹底し、従来の埋却処理の効果も、それなりに大きな力となり、確かな成果と結びついている面もありますが、家畜管理の一環としてEMを活用しておれば、このような惨事にはならなかったと思います。

このたび、EMボランティアの一連の行動や成果に対して農林水産大臣から感謝状が贈られ、私が代表して受け取らせていただきました。ここに、この活動を支えてくださった皆様にも経過を公開し、改めて感謝申し上げます。

今回の新富町を中心とした活動報告は、新富町とEM研究機構によって詳細な報告書としてまとめられており、本報告書は山田正彦元農林水産大臣及び農林水産省に提出されることになります。口蹄疫対策を機にえびの市では、EMをさらに広く徹底する機運が生まれ、その動きは近隣市町村にも広がっています。

今回の宮崎での実績を踏まえて、EMによる危機管理と災害に強いまちづくりをテーマとした講演会やフォーラムを、年内に新富町やその他の自治体で実行する予定にしています。新富町の経験が生かされ、EMモデルタウンとして機能するようになれば宮崎県はもとより、全国のモデルになり得るものと期待しています。

※結界:聖なるものを守るためのバリア(防護帯)をつくることを意味する言葉で、宗教的には様々な方法が行われています。

(2010年10月4日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。名桜大学国際EM技術センター所長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)など。


 

 

 

 

 

2トンプールと500リッタータンク(新富町)

宮崎県綾町でのEM活性液タンク

宮崎市高岡町でのEM活性液タンク

高岡地区のEM活性液

農林水産大臣からの感謝状(クリックすると拡大表示します)

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