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これまで主としてEM医学の検証について紹介してきましたが、7月上旬に行われたザルツブルク(オーストリア)のEMフォーラムで次のような興味深い報告が2件ありました。まずEM・Xゴールドの検証です。酸化還元電位を指標にEM・Xゴールドを計ると、従来のEM・Xまたは同等と称している製品の5倍以上も強く、80~85℃に加熱するとさらに3倍すなわち15倍に向上するという結果です。EM・Xと同等とされる製品は加熱すると効果が失われることが明確に示されました。

この数値はこれまで説明してきた「EM・Xゴールドは旧来のEM・Xの5倍以上の機能性があり加熱すると10倍以上の効果がある」と一致するものです。すなわちEM・Xゴールドは従来のEM・Xのレベルを期待するなら5分の1~15分の1で十分であるということになります。とは言え人間は日々のストレスと加齢という負荷がかかりますので還元力レベルは常に高く保持することが肝要であり、EM・Xゴールドはその期待に応えるために大幅にレベルアップされたものです。

その次に注目すべき発表がドイツの環境局長からなされました。かつて豊かな農業生産が行われていた地域には、やせた土壌を下層から腐植の多い黒土にする技術が存在したことが確認され、それを再現するために様々な試みを行ったがすべてうまくいかず、EMを加えたら期待通りの結果になったとのことです。要約すると木炭などを混和したEM団子をつくり30~90cmぐらいの深さに埋めると、その周りは肥沃な下層土に変えられるということです。本件については機会を改めて詳しく説明したいと思います。

マレーシアの「世界EM団子(EMマッドボール)の日」

今年の3月にマレーシアのペナン州からペナン州首相の招待状を持ったスーさんが沖縄まで訪ねて来られました。以前にもこのシリーズで紹介した澤田さんと協力しペナン州はもとよりマレーシア全体をEM化したい。その手始めとしてペナン州の河川や海岸をキレイにするためにEM団子を100万個投入するイベントを行うので、8月8日にペナン州へ来てほしいというものでした。

日本でも有明海に30万個投入し、多大な成果を上げた経験はありますが、100万個はとても無理だと思いましたが承諾し、8月6日の夜遅く、タイからペナンへ到着しました。空港には農業および生活担当大臣も笑顔で、もともと知り合いであったような雰囲気で私を迎えてくれました。

7日は、州の首相をはじめ関係各大臣はもとより州の有力者やEM運動のリーダーを集めたEMのセミナーを開いて、EMに対する機会と互いの連帯をさらに強化する場となりました。私は「EM団子を投入した人は、必ずその川や海がキレイになるかどうかという関心を持つようになる。そのことが環境意識を育て、その成果が上がれば、みんな自信を持って積極的にEMによる環境浄化運動に参加し、最終的にはEM生活にたどり着くようになる」「社会を本質的に良くするためには自己責任原則と社会貢献認識、すなわち自分の存在が社会のために役立っていることが自覚できるライフスタイルを確立しなければならない。一般的な常識からすれば大変困難なことのように思えるが、EMを空気や水のごとく使う『EM生活』を実行すれば、そのことが病気にならず、日々環境を浄化し、自然資源を豊かにし、真の意味で循環型の望ましい健全な社会をつくることにつながることになるのです。そのためにはあらゆる分野でEMが手軽に活用できるシステムづくりが重要です」という旨の話をしました。

そのセミナーの後に、州首相の立ち会いの下8月8日は「世界EM団子の記念日」としますという大きな証状に私がサインし、州首相も確認のサインを行いました。また同時に農業大臣から出された「EMの農業試場」の設置宣言書にもサインしましたが、EM団子は120万個に達しているという報告にペナン州の本気度がひしひしと伝わってきました。

次の日の8月8日、中華系が大半を占めるペナン州では8を末広がりの発展を示す意味で使われていますが、8月8日はダブルの8という特別に発展を記念すべき日として設定されたものです。余談ですが私の泊まったホテルの部屋番号も808号室でした。

8月8日は10時30分からの一斉投入に先だって、主会場には2,000人くらいの人々が集まって州政府関係者の経過報告と、この運動の趣旨の説明があり、その後、州首相によるEMによるペナン州づくりの話がありました。首相のEMに対する知識は極めて高く、関係大臣の説明もEMに対する絶対的な信頼にあふれていました。

120万個のEM団子は約1万8千人の人々によってペナン州の汚染された河川や海岸に投入されました。このイベントに対し、地元7紙は2~4ページの特集を組み、テレビ、ラジオを含め大々的に報道してくれました。そのためペナン州では一挙にEMを知らない人はいないという状況をつくり出してしまいました。

ペナン州はマレーシアを統治していたイギリスが活動の本拠地を置いた島ですが、本島と長い橋でつながっています。人口も140万人程度で沖縄県とほぼ同等の規模ですが、イギリス時代の世界遺産もあり、森林も豊かで人々ものんびりとフレンドリーです。州首相はペナンを世界一のEMモデル州にしますので、比嘉先生の第2の故郷にして、毎年おいでくださいというお話もありました。

リタイアした日本人がマレーシアで最も多く住んでいる地域はペナン州で、日系の新聞もあり、今回の世界EMマッドボール記念日に対し、種々の協力をいただき、かなりの数の日系の人々もEM団子投入に参加してくれました。また、日本総領事館にも積極的な協力をいただきました。

100万個以上のEM団子をつくることは容易なことではありません。この企画をしたスーさんも州政府や各企業や学校、団体に対し協力をお願いし、積極的な賛同を得て始めましたが、10万個のレベルで行き詰まってしまったとのことです。

それでも比嘉先生に申し訳ないと思い夜も眠れない日々が続いたとのことです。が、ある日、9歳になる小学校の女の子がスーさんを訪ねて来て、「私たちは環境を汚し地球に申し訳ないことをしています。地球におわびをするとともに私たちもEM団子づくりに協力します」という申し入れがあり、スーさんは勇気百倍、その少女の言葉をきっかけに「地球におわびの証」としてのEM団子づくりが急速に進み、7月末には100万個を達成することができたそうです。

100万個のEM団子ができあがったので、もうつくらなくてもいいという連絡をしたら、団子を皆でワイワイガヤガヤつくることがとても楽しいのでつくり続けますというグループが多く、とうとう120万個を突破してしまったということです。

地元のマスコミもEM団子づくりを積極的に取り上げ、またEM団子を投入し試験的にキレイにした川の状況も報道したため、EM団子づくりは全州的なものとなり、これまでまったく交流のなかった人々や団体の輪が大きく広がり、人々の融和が図られたとのことです。その社会的効果は多様で深いものとなり、ペナンの州づくりやまちづくりの大きな基礎として機能し始めています。このシステムについては次回に紹介します。

(2009年10月3日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。名桜大学国際EM技術センター所長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)など。


 

 

 

 

 

 

ペナン州の海岸や河川で120万個のEM団子が投入された

8月8日のセレモニーの様子

セレモニーで挨拶するペナン州首相

セレモニーには約2000人が参集した

ペナン州首相と比嘉教授

「地球にお詫びして100万個のEM団子を投入しよう」と書かれた看板

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