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塩の活用法の限界と注意点

前号の末尾に、「整流炭を活用し、土壌全体を整流すれば、従来のような土壌改良は不要となり、不耕起栽培も容易となります。」「収穫後、10a当り塩を500〜1000Kgを散布し、株や雑草をすべて枯死させた後に、海水EM活性液を50〜100倍にして全体に行き渡るように施用します。この方法は、肥料が不要になり、土壌消毒や土壌改良等々も全く不要になりますので、ハウス栽培の革命に直結するものです。」と述べました。

当然のことながら、空間の整流も不可欠です。この技術は、EMの整流力を強化した整流素子の活用が基本になっています。すなわち、EMグラビトロン整流シール(素子)を装着した無煙炭化器で、整流力の強い炭を作ります(第115回)。その炭と塩と土を等量に混ぜて、海水培養のEM活性液を加えて丁寧に混和して、野球ボール大の整流ダンゴを作ります。その整流ダンゴを畑やハウスの四隅30〜50cmの深さに埋めたり、畝の両端に埋めたりして、圃場全体の整流力を強化します。

原理的に言えば、炭が半導体として機能し、塩は、その整流されたエネルギーを超伝導的に運ぶ役割となっています。すなわち、空間と地下部をセットで整流すると、共鳴効果が高まり、コヒーレント(量子うなり)が強化される仕組みが機能します。そのため、圃場のEMの共鳴力も高まり、原子転換力も強化されますので、この考えを徹底する必要があります。

このように土壌や空間のエネルギーを整流した上で、その結界内のEMの密度を高めると、これまでの限界突破が超限界突破となります。そのため、施用する塩の量を10a当り2トンに増やしても害は出ず、その限界は明らかではありません。

要するに、収量目標に対する塩の使い方ということになりますが、稲作でいえば、10a当り30俵〜40俵(1.8トン〜2.4トン)くらいは可能ではないかと考えています。

10俵を超えることが稲作農家の願望であり、その3〜4倍と言えば、トンデモの話ですが、根拠がないわけではありません。拙著「微生物の農業利用と環境保全(農文協1991年)」の83〜85ページに示したように、実験的ですが、麦作とのローテションでEMの密度を高め、それ相応の有機物がある場合、10a当り、27.6俵に達しているのです。

この実証的可能性は、その後、数回確認されていますが、米の過剰で減反が厳しくなった頃で、良質のEMを大量に投与できる体制が整っていなかったために可能性の話で終わってしまいました。でも、私は、あきらめたわけではありません。既述のような技術を加味すれば、比較的容易に達成することが可能であると考えているからです。

稲作で10a当り30〜40俵、その裏作の麦も10〜15俵くらいは可能と考えています。このレベルになると、汲めども尽きぬ最良の油田に匹敵します。すなわち、大気中のCO2は無限資源となり、収穫物は発酵技術によって、あらゆるプラスチック工業の原料や水素エネルギー源にすることができ、モミガラ等は、高機能炭素材または飼料として活用出来るからです。

その上、無煙炭化器万能炭化機を活用して、プラスチック、ゴムはもとより、すべての有機ごみを機能性の高い炭に変え、生物生産や環境保全、土木建築や機能性材料にすることが可能です。その結果、炭酸ガスは固定され、再度空中に放出されることはなくなりますので、根本的な地球温暖化対策が可能という結論になるからです。

既述のように、塩を使うことは、地上部と地下部の整流に関し、EMの機能をより高めることを前提とし、整流炭とセットになっています。したがって、塩を多量に使う場合、このバランスのレベルが重要です。すなわち、EMの密度が十分に高まってない時点で、多量の塩を施用すると、天国から地獄へ真っ逆さまということになります。

多量の塩を施用した場合、十分な降雨(10mm)または十分な潅水を行うと言っても、明確な基準は、ECの測定を参考にする以外にはありません。

10a当り、500kg以上の多量の塩を使う場合、下表に示される作物の一般的な耐塩性を参考にする必要がありますが、例えEMを使っているからと言っても、ECがその2〜3倍になっていると塩害を発生する場合があります。

<作物の耐塩性>
(農林水産省:作物の耐塩性、作物別好適生育pH範囲植物必須元素一覧、作物別養分吸収量より抜粋)
耐塩性EC目安
(mS/cm)
作物名
強い1.5以上大麦、ホウレンソウ、ハクサイ、アスパラガス、ダイコン、ナタネ、シュガービート
0.8〜1.5キャベツ、ブロッコリー、ネギ、ニンジン、サツマイモ、トマト、カボチャ、ナス、トウガラシ、ブドウ、オリーブ、トウモロコシ、ソルガム、ライ麦、小麦、ヒマワリ
やや弱い0.4から0.8イチゴ、タマネギ、レタス、リンゴ、ナシ、モモ、オレンジ、レモン、プラム、アンズ
弱い0.4以下キュウリ、ソラマメ、インゲン


 写真@


 写真A



写真1は、EM研究機構のサンシャインファームで、土壌消毒、雑草抑制、土壌改良のため、10a当り2トンの塩を撒いた状況です。雪が積もっているようにも見えますが、その後は、EM活性液と潅水を行い、ECが基準値の2倍くらいに調整した後に植付けします。

写真2は、塩の粒子の大きさを示したものです。左の粉状の塩の価格は、トン当たり3万円前後で、作物が植えられていない時期に、または除草用として好都合です。右の中粒状の塩の価格は、トン当たり4万円くらいですが、追肥的に塩を施用する場合に活用します。すなわち、粉状のものはすぐに溶けてしまいますので、塩害が発生する懸念があり、その上、雨が多かったりすると、すぐに流亡してしまいます。

それに対し、中粒状になっている塩は、徐々に溶けますので、余程のことがない限り、常識的な施用量(10a当り100kg)では、塩害は殆ど発生することはありません。作物体から5cm以上離し、均等になるように施用すれば、表面にある雑草の種子はすべて枯死しますので、雑草抑制にも著しい効果を発揮します。

EMの密度を高めるためには、海水培養のEM活性液の施用を続けることに尽きますが、有機物を併用すると、その効果は更に顕著です。有機物は、堆肥やボカシ化する必要はなく、細かく切って表面にマルチ状に敷くように施用します。

臭気を発する有機物は、海水または海水レベルの塩を含む水に入れ、海水培養EM活性液を100分の1程度添加し、臭気が消えると(数日で消える)良質の液肥として活用することも可能です。塩の多機能的な力を引き出すのも、使う人の力量次第であることを忘れてはなりません。


<中粒状の塩の購入先について>
ダイヤソルト株式会社
http://www.diasalt.co.jp/ja/index.html

(2017年7月10日)

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PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。名桜大学国際EM技術センター所長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)など。

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